土地は登記簿の面積より大きい可能性が高い?
不動産の登記簿(登記事項証明書)は、その記載内容が常に信用できるとは限りません。土地の実測をしてみると、実際の面積が登記簿の面積より大きいことが判明する可能性が高いのです。
登記されている面積より実際の面積が大きいことを不動産用語で「縄伸び」といいます。江戸時代は縄を用いて土地の測量を行っていました。とくに麻縄が使用されていたようで、長さを測るメジャーとして活用されていました。
時代によって測量法は違うようですが、不規則な田畑を長方形に見立て、十字に縄を張って測定したり、すべて三角形に分割して計測したり、方位と距離を測っていく導線法も用いられたようです。
租税がかかる土地の広さを過少に申告したいという思いから、実際の面積よりも小さい値で記録していたことが考えられます。また、反対に登記されている面積より実際の面積が小さいことを「縄縮み」といい、実際は縄縮みよりも縄伸びが発覚する場合のほうが多いのです。
相続時に「売却予定」がないものは実測しない
当事務所では今まで300件の相続税還付を成功させてきましたが、その事例から鑑みても、土地の実測をすると多くの場合が「縄伸び」だということがわかります。
つまり、登記簿に記載されている面積で申告するよりも面積が大きくなるため、その分、相続税評価額が高くなってしまうのです。
そのため、後に売却しようと考えている土地でない限り、土地の実測はしないほうがいいでしょう。
しかし、相続後に売却をしようと考えている場合は、売却時に正確な地積が必要となります。また譲渡税の申告もあり、譲渡税の申告書に記載する売却地の面積が、先に提出した相続税の申告書と違えば、税務署から指摘が入ってしまいます。
山林や宅地など、相続したあとでとくに売却予定がない土地などであれば問題はないでしょう。