医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役の長澤潔志氏が、自らの経験談をもとに、生徒の両親が抱える問題点を解説します。

医者になるのであれば、ぜひとも直してもらいたい

周りには、「これは僕の生きがいだから」と言っています。すべて医者になるための勉強でもあり、そんなこととは無関係な人間教育の話でもあります。しかし、そこから叩き直さないと、勉強が短期間で身につくことは大変に難しいのです。

 

しかも、そうした努力の果てに、その子が自我を芽生えさせた結果、「医者にはならない」という選択肢だってあり得るわけです。営業的には決してプラスになる話ではなく、私はやはり、経営者としては失格なのかもしれません。

 

しかし、一人の教育者として、どうしてもそこを避けては通れません。しかも、その部分は、医者でなくても必要な部分ですが、医者になるのであれば、ぜひとも直してもらいたいところでもあるわけです。萎縮した医者、いい加減な医者、チャランポランな医者、コンプレックスの塊のような医者、拝金主義の医者……。そんな医者になどなってほしくないのです。

 

最初は、勉強の効果を上げるために、学ぶ姿勢を身につけさせることが必要と思って始めたことですが、最近はそうした面だけではなく、つまりは医学部に合格して、国家試験に受かるというだけでなく、立派な医者になってもらうための人間修行の一端をここで始めているという意識が強くなっています。

 

しつこいようですが、医者という仕事にしっかりコミットできる人間だけに、医者になってもらいたいのです。患者さんと人間的に接し、強さから出てくる愛情を注げる医者になってほしいのです。

 

 

長澤 潔志

医学部専門予備校・TMPS医学館代表取締役

 

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本連載は、『医学部受験の闇とカネ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。なお本記事で紹介している内容は、著者の体験をもとに執筆しております。万一、本連載の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。

医学部受験の闇とカネ

医学部受験の闇とカネ

長澤 潔志

幻冬舎メディアコンサルティング

講師歴30年の医学部専門予備校代表の長澤潔志氏が、実体験をもとに、合格率を偽って、「授業料を挙げる予備校」、「コネとカネがなければ合格できない推薦枠を設ける大学」、「指導力不足で受験生を浪人に導く高校」など、さま…

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