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取組みが評価されると、ESG資金が流入して株価上昇？
【図表1】は、Appleの株価チャート（週足）です。
2020年8月19日に、Appleはアメリカの企業では初めて時価総額が2兆ドル（約210兆円）を超えました。当時の日本の株式市場全体の時価総額は約640兆円なので、Apple1社で日本の約3分の1の時価総額を占めたことになります。
そのAppleは、2020年7月に「2030年までにサプライチェーン全体の温暖化ガス排出量をネットゼロにする」という発表をしています。
企業の温暖化ガス削減について、3つの段階に分けて考えていきます（図表2）。
最初の段階（Scope1）は、自社の生産活動に伴って排出される温暖化ガスを抑制し、ネットでゼロにする段階です。Scope2になると、生産活動に伴う電力使用を通じた間接的な排出も対象になります。
そして、最終段階のScope3は、原材料の仕入れや下請けの組み立て販売など、自社以外のすべてのサプライチェーンも含めて脱酸素を目指す取り組みです。AppleはこのScope3を宣言した世界初の企業で、このことが評価されて、ESG投資の資金がAppleに流入して、株価の上昇が加速したと考えられます。
ESGに積極的な企業の探し方…HPやランキングを見る
企業のESGへの取り組みは、その企業のウェブサイトを見ればわかります。なぜなら、SDGsやESGの情報を開示している企業は積極的に取り組んでいる証であり、内容を読めば本気度もわかるからです。
その他には、「世界で最も持続可能性のある企業100」が参考になります。毎年1月に開催される世界経済フォーラムの年次総会（通称「ダボス会議」）で、サスティナビリティの観点から世界の企業を評価し、SDGsやESGの取り組みを積極的に実施している企業が発表されます。
ちなみに、2021年1月に発表されたランキングは、以下の通りです。
1位 シュナイダーエレクトリック（フランス）【業種：電機】
2位 オーステッド（デンマーク）【業種：風力発電】
3位 ブラジル銀行（ブラジル）【業種：銀行】
なお、日本企業では、次の5社がランクインしました。
16位 エーザイ
32位 シスメックス
41位 コニカミノルタ
51位 積水化学工業
71位 武田薬品工業
最後に、実際にESG投資をする方法について触れておきます。ESG投資を行うには、個別企業の株式を買う方法以外にも、ETFや投資信託を活用する方法もあります。
東京証券取引所には、ESGをテーマにしたETFが30本あります（2021年6月時点）。また、ESGをテーマにした投資信託もあります。ESG投資の拡大とともに、今後増えることが予想されるので、チェックしてみてください。
■まとめ
環境や多様性への意識が高まり、ESG投資がさらに広がることによって、SDGsに前向きな企業にはお金が集まると考えられます。つまり、ESGに積極的な企業へ投資することは、投資の力で地球環境を守って社会をよくしながら、値上がり益を得られる可能性があります。ぜひ、ESGの観点からも銘柄探しをしてみてください。
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濵島成士郎
株式会社WealthLead
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