NZの現況…ロックダウンから1年、不動産業界も街も活気が戻る

ニュージーランドでは、政府による新型コロナウイルスの感染対策が奏功し、ほぼ通常通りの生活が戻ってきました。不動産業界も活況で、回復が遅れ気味の観光業等からの人材流入も目立っています。ニュージーランドの現況を解説します。オークランド在住で不動産会社を経営する筆者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

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対策が奏功し、日常を取り戻せたニュージーランド

世界に新型コロナウイルスの蔓延から、あっという間の1年ですが、ここニュージーランドでは、国民の安全と経済の両立手探りで追求するなか、ありがたいことに現時点ではいずれも不安なく、ほぼ以前と同等の生活に戻っています。

 

とはいえ、業種によってはまだ苦しい状況に置かれ、一部には大変な生活を送る人もいますが、自然豊かで穏やかな環境が幸いし、精神的に追い込まれることなく過ごせています。

 

政府の鶴の一声でロックダウンされた瞬間、街からは人影が消え、店は閉まり、エッセンシャルワーカーの方々はさらなる業務に追われました。24時間勤務をこなす、真摯で献身的な医療関係者には脱帽です。

 

日本は緊急事態宣言下、第四波が来ているといわれていますが、映像を見る限りでは大勢の人の流れがあります。リモートワークや時間差出勤といった工夫はされているものの、繁華街での人通りをはじめ、道での飲酒等の光景を見るにつけ、心配の日々です。

 

現在では普通にレストラン・パブで飲食し、ラグビー観戦もできるようになり、通常生活ができているこのニュージーランドの実例を見て、どうか参考にしていただきたいと南半球で願う今日このごろです。

 

(※オークランドの風景/PIXTA)
(※オークランドの風景/PIXTA)

業界の回復の遅れから、不動産業へ転身する人も増加中

観光業のほうは全面的に廃業に近い状況にあると思われます。国内旅行を主にしている部門は少しずつ回復しつつも、海外がらみの部門は観光はもちろん、留学関係者もまだまだ苦しい状況にあります。

 

商業用物件に投資している、店舗・オフィス賃貸業のオーナーも苦しい時期です。ここから脱するには、世界の流れが変わることを期待するしかありません。収入を失い、新たな職探しが必要な人もいます。

 

私が移住してきた1990年代後半から、2000年代初期にかけて、ニュージーランドでは不動産建設ラッシュブームがあり、多くの不動産売買コンサルタントが出現しました。率直なところ、だれが売っても家が売れるといった状態でした。

 

しかし、リーマンショックや、国内での欠陥住宅問題が勃発した2005年~2010年ごろには大勢の業界人が辞めていき、一旦平行線を保ちましたが、また昨年より、不動産業界に就職する人が増加し、リクルート関係者は忙しくしています。

 

なかでも、エアフライトアテンダントやホテル業界から、プロパティマネージャー(賃貸物件管理者)、ビルディングインスペクター(建物調査士)、不動産セールスコンサルタントへの転職者が目立ちます。

 

まったく業種は異なりますが、いずれも接客のプロであり、顧客への誠意ある対応が得意ですから、住宅等の知識などを身に付けたあとは、すぐに第一線で活躍しています。

 

飲食店オーナーも、ウーバー利用の宅配、テイクアウトのメニューの充実など工夫をこらし、限られた条件で営業をしていますが、かつてはアルバイトとして頼りにしていた、ワーキングホリデーに来ている人たちや留学生たちがいなくなってしまったため、人材不足で困っている店舗も少なくありません。

 

それゆえ飲食店は、一見すると普通に営業しているように思われますが、実情は客席数を減らし、仕入れも減らしてギリギリの運営です。店を閉めるべきかどうかの判断は悩ましく、少しでも営業して収入確保を目指すという判断だけでなく、顧客のために食の提供を続けるという判断をしている店主も多くいます。なかでもオークランド市内中心の店舗は学生・観光客相手の営業だったため、苦戦を強いられています。

 

残念ながら、市内中心地はゴーストタウン化しており、状況の深刻さを感じさせます。商店、フードコート、有名フランチャイズ店等、みんな閉鎖しています。

 

先日、やっとのことで、久しぶりにワイカト地方へ行ってきました。政府が急にロックダウンを決断すれば、即座にオークランドとの通行が禁止されてしまうため、怖くてオークランドの外へと出られなかったのです。

 

幸い、ワイカト地方は変わりなく、街の中心地にもさほど大きな変化は見られませんでしたが、観光客相手のお店は閑散としており、一部には閉店しているところもありました。

 

一方、住宅街にある郊外の大型店舗では、ほとんど影響がないのではと思うほどの人の波があります。財布の紐は固いとは思いますが、ジュエリーショップなども相変わらず大勢買い物客でにぎわっており、見た目には活況のようです。飲食店も普通に営業しており、混んでいます。

 

このような、中心地と郊外のギャップには驚きます。

 

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Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長

1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。

1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。

現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表としても活躍中。

著者紹介

連載現地スペシャリストがお届け!「ニュージーランド不動産」最新事情

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