口約束で貸してしまった、契約書を作成しないでも約束を守ってくれると思っていた…。不動産の賃貸借トラブルは、親子・兄弟間でこそ発生しやすいものです。相続時のトラブルを避けるためにも、日ごろから、使用貸借に関する知識を身に付けておきましょう。今回はこすぎ法律事務所弁護士の北村亮典氏が、「親子間での使用賃借トラブル」事例を紹介します。

民法では「契約は借主死亡で終了」と規定されているが

この事案で、裁判所は、使用貸借契約が借主の死亡により終了すると民法で規定されていることを前提としつつも

 

「土地に関する使用貸借契約がその敷地上の建物を所有することを目的としている場合には、当事者間の個人的要素以上に敷地上の建物所有の目的が重視されるべきであって、特段の事情のない限り、建物所有の用途にしたがってその使用を終えたときに、その返還の時期が到来するものと解するのが相当であるから、借主が死亡したとしても、土地に関する使用貸借契約が当然に終了するということにはならないというべきである。」

 

と判断し、次男の使用貸借を認めました。

 

本事例は、他にも周辺事情を拾って使用貸借の成立を認めていますので、他の事例にも単純に当てはまるものとは限りませんが、借主死亡の場合であっても使用貸借の継続を認めた事例として参考になります。

 

 

※本記事は、北村亮典氏監修のHP「相続・離婚法律相談」掲載の記事・コラムを転載し、再作成したものです。

 

 

北村 亮典

こすぎ法律事務所弁護士

 

 

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