「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」で、3000万円不足するなどといわれていますが、実際のところはピンとこない人も多いことでしょう。この大問題をどう解決すればいいのでしょうか。この「リスク」をうまくクリアできれば、第二の人生をバラ色にすることがきるはず…。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

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      8割以上の人が「老後生活」に不安を感じている

      老後マネーの問題から目を背けてしまう現実

       

      メットライフ生命の『「老後を変える」全国47都道府県大調査』を見ると、8割以上の人が「老後生活」に不安を感じています。とはいえ、大半は具体的な対策を講じていないというのが実状のようです。

       

      老後生活はかなり深刻な問題だととらえているのでしょうが、実際にどうしていいのかわからない人もいると思います。あるいは、いまさらジタバタしてもしかたがない、なるようにしかならないと、諦あきらめているかもしれません。

       

      人間は厄介事を先送りにしてしまいがちです。ダイエットすると決めても、ご馳走を前にすれば明日からにしようと日延べする。やらなければならないとわかっているのに、夏休みが終わる直前に、慌あわてて宿題に取りかかる。そんな経験がありませんか。

       

      8割以上の人が「老後生活」に不安を感じているのに、具体的な対策をしていないという。(※写真はイメージです/PIXTA)
      8割以上の人が「老後生活」に不安を感じているのに、具体的な対策をしていないという。(※写真はイメージです/PIXTA)

       

       

      できれば避けて通りたいと願っていても、老後問題はいつか直面することです。先送りしても解決にならないばかりか、かえって事態を悪化させかねません。

       

      現実から逃避せず、自分の将来をしっかり見据えて計画を立てていきましょう。それこそが不安を解消する、最も有効な手段です。

       

      老後資金、いったいいくら用意すればいいのか?

       

      さまざまな不安の中でも、お金に関する心配は大きいと思います。老後の生活には、いったいいくら必要なのでしょうか。

       

      生命保険文化センターでは、夫婦2人が老後生活を送るうえでの一般的な生活費を出しています。それによれば、日常生活費は最低でも月額22万円、ゆとりのある生活をするには34万9000円です。

       

      月に22万円なら、年間では264万円。仮に60歳から90歳までの30年で計算すると、7920万円になります。

       

      いっぽう、ゆとりのある生活費は年間に418万8000円、30年で1億2564万円です。

       

      およそ1億円という数字に驚きますが、すべてを自分で準備する必要はありません。

       

      なぜなら、公的年金があるからです。

       

      会社員、公務員には国民年金と厚生年金があります。自営業者や専業主婦(夫)にも国民年金があります。基本的には国民全員が国民年金に加入していますから、公的年金を受け取れるのです。

       

      といっても、受け取れる年金額はそれぞれ違います。平均の年金額はひと月当たり、厚生年金が14万7972円、国民年金が5万5464円。合計で20万3436円です(厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」平成28年度)。

       

      生命保険文化センターが出した最低日常生活費より、約2万円少ないことになります。30年間で考えてみると、約600万円足りません。さらに、ゆとりのある生活費なら、なんと約5240万円が不足します。

       

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