念願の初任給…すでに同期とは格差が生まれている
今年、4月入社の新入社員。そろそろ初任給を手にする人も出てくる頃ではないでしょか。
そもそも給料は、「通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」(労働基準法第24条)と規定されている通り、月に1回、決まった日に支払われることになっています。
初任給が支払われるタイミングは、支払日が当月になっていれば、初任給は4月中にもらえることになります。たとえば、「20日締め、当月25日払い」という給与規定の場合、4月20日まで働いた金額が25日に支払われるということなので、満額の給料をもらえるのは、さらに1ヵ月先になります。
また額面給与から、控除としてる税金や保険料が天引きされ、手取り額を手にします。さらに初任給のほうが以降よりも手取り収入が多くなる現象も。4月入社の場合、厚生年金や健康保険は5月から支払いがスタート。結果、初任給よりも5月のほうが手取り額が少ないという珍現象が起こります。また前年度の所得がないと住民税も控除されないので、入社2年目のほうが手取り額が減る可能性もあります。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、大学卒の場合の平均初任給は21万200円。男性が21万2800円、女性が20万6900円と、初めて手にする時点で、すでに月に5000円程度、1年で7万円強の給与格差が男女間で生じています。
また従業員1000人以上企業の大卒初任給は、男性21万5900円、女性20万9700円に対し、従業員100~999人企業は、男性21万1000円、女性20万5200円。従業員10~99人企業は、男性20万6000円、女性は20万1800円。会社規模によって、年間12万円弱ほどの格差が生じている計算となります。
さらに日本標準産業分類に基づく16大産業別に見ていくと、最も初任給が高いのは「学術研究、専門・技術サービス業」で22万7200円。一方で最も初任給が少ないのが「複合サービス事業 」で18万4900円。初任給の段階で、3万8000円の差。1年で約46万円もの差が生じている計算となります。
学術研究、専門・技術サービス業:227200円
鉱業、採石業、砂利採取業:219800円
情報通信業:218100円
建設業:216700円
不動産業、物品賃貸業:213900円
卸売業、小売業:211000円
教育、学習支援業:209400円
生活関連サービス業,娯楽業:209000円
金融業、保険業:207300円
医療、福祉:206900円
製造業:206600円
R.サービス業(その他):205300円
電気・ガス・熱供給・水道業:202200円
運輸業、郵便業:201500円
宿泊業、飲食サービス業:200800円
複合サービス事業:184900円
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