4月も後半に入り、今年の春、新卒で社会人デビューした人の中には、初任給を手にする人も出てくる頃です。学生時代の友人と、ざっくばらんにその額を言い合うということも。そこで思わぬ給与格差に驚く人も少なからずいるでしょう。しかしそれは、この先続く「格差社会」の序章でしかありません。

初任給で感じた「給料格差」のその後

スタートラインは同じはずだったのに、すでに50万円近くも差があるなんて……と肩を落とした新入社員も少なからずいるでしょう。しかし初任給における格差など、序の口です。

 

もうこんなに差がついているなんて…(※画像はイメージです/PIXTA)
もうこんなに差がついているなんて…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

大卒男性の基本給(所定内給与)の年齢別推移を見ていくと、年齢とともに給与はあがり、「50~54歳」で52万6600円とピークを迎えます。女性も「50~54歳」でピークを迎えますが、基本給は38万2000円。性別による格差も14万5000円とピークを迎えます。

 

さらに年収で見ていくと、男女ともにピークは「50~54歳」。男性は869万100円に対して、女性は607万3700円と、年収差261万6400円を記録します。

 

事業規模別(男性)で見ていくと、従業員1000人以上企業では「50~54歳」で48万5400円でピークを迎えますが、100~999人企業で41万9600円、10~99人企業で34万7500円。企業規模の差で月14万円弱の差が生じます。

 

産業別に見ていくと、「50~54歳」で基本給が60万円を超える「金融業、保険業」に対して、「宿泊業,飲食サービス業」は30万円を超えたあたり。月給の格差は30万円を超えます。

 

このように、男女で月5000円程度だった差は、30年後に月14万円程度まで広がり、企業規模で月1万円程度だった差は、30年後に月14万円程度の差に。さらに産業別では月4万円弱の差は、30年後、月30万円程度の格差になります。

 

もちろんこれは平均値での話。会社によって給与事情は異なりますし、これから30年、状況は変わらないとはいえませんし、給与がいいから幸せとも限りません。ただ初任給で感じた格差は、年齢とともに広がっていくことは確かです。

 

 

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