公務員も会社員も、定年年齢があがっていく
政府・与党は今国会内で、国家公務員法改正案の成立を目指しています。この改正案、現在60歳とされている国家公務員一般職の定年を、段階的に引き上げていき、2031年度には65歳まで引き上げるというもの。
20年の通常国会でも議論されましたが、すったもんだがあって、廃案となりました。今回はそのリベンジといえるでしょう。
定年延長の動きは、民間企業でも見られます。4月1日に施行されたのは、一部改正となった高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)。2013年から施行されている制度では、(第8条) 60歳未満定年の禁止、(第9条)65歳までの高年齢者雇用確保措置として65歳まで定年引上げ、もしくは継続雇用制度の導入、定年制の廃止、いずれかの措置を講じなくてはならない とされてきました(関連記事:『4月1日「70歳定年時代」の幕開け…死ぬまで社畜の現実味』)。
今回の改正で、70歳までの高年齢者についても、安定した雇用の確保と、就業機会を広げていくことを目指す「努力義務」を求めるようになりました。つまり「義務として65歳までの雇用を確保、努力義務として70歳までの就業確保」が、企業に求められることになったのです。
仮に65歳で定年退職をしたとしたら、そこから平均寿命までは20年あまり。それまで貯蓄を切り崩しながら年金を頼りに生きていく……ということを考えると、希望すれば働いて収入が得られるのは安心の材料が増えますし、仕事が生きがいという人にとっては、定年延長は朗報なのかもしれません。
一方で「いつまで働けばいいのか……」と、絶望感を覚える人もいますが。
コロナ禍で苦境にあえぐ企業が多く、とばっちりを受ける会社員が多い昨今。「給料は減り、賞与も出ず。働ける会社があるだけまし……」などと悲壮感いっぱいの人も少なくはないでしょう。そんなときに聞いた、公務員の定年延長のニュース。「やっぱり公務員、退職金も多いし、うらやましい」と嫉妬の気持ちでいっぱいになった人もいるのでは。
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