算数力アップのカギは「計算手法の暗記」ではない
英語教育は早くから始めた方がいいと言いますが、計算も早くから覚えさせた方がいいのでしょうか?
子どもの記憶力は非常に高いので、3歳児でも足し算、引き算、九九などを覚えることは可能でしょう。では、なぜ計算やひらがなを教えない保育園や幼稚園があるのでしょうか? それには、実は理由があります。
数字や計算方法を覚えることを先に学んでしまうと、応用力が失われてしまいがちだからです。小さい頃はさまざまなことに興味、関心を持つことの方が、ずっと重要だと考えているのです。
他の子よりも早く覚えることで、自己肯定感を高めるのはとてもいいことなので、覚えること自体は悪いことではありませんが、小学校高学年になり、算数の授業についていけなくなる大きな要因は、“イメージ力がない”からなのです。
高価な教育グッズを買う必要はなく、身近なおはじきやお手玉などで計算のイメージを作ってあげるといいでしょう。算数の計算例として、2×3を足し算で考えてみてください、と言われると、2+2+2とイメージできるのに、6÷2を引き算で考えてみてください、と言われると答えられない人がとても多いと聞きます。
「みかんが6個ありました。2個ずつ分けると何人で分けられるか。」と考えればいいのです。6の中から2を何回“引き算”すればいいのか、その回数を求めるという問題になります。
割り算には等分除と包含除という考え方があり、等分除は6mのひもを2つに分けると何m、包含除は6mのひもから2mのひもが何本取れるかという考え方です。日本では等分除で習うことが多いですが、プログラミング教育などでは包含除が役に立ちます。
おはじきなどを使ってやってみると、さらにイメージが膨らみます。計算法を覚えるのではなく、具体的に視覚で感じることが算数の力を高めます。
公式で算数を覚えてしまうと、応用が利かなくなります。おはじきなどで数のイメージをしっかりつけて、日常の中に算数があることを学びましょう。分数も、ケーキの切り分けなどで勉強するといいですよ。
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