「実は妻が認知症になった」…親友から返ってきた一言に絶句

なぜ、認知症なんかになるんだ――。物を失くす、使えなくなる、物忘れが増える……。刻々と変わりゆく妻の様⼦に⼾惑う⽇々について、棚橋正夫氏は書籍『認知症介護自宅ケア奮闘記 私の知恵と工夫』で記しています。

「早くしてあげないと、奥さんが可哀想だよ」

私は、認知症を普通の病気と同じように考えていた。医師の指示通り、予約を取り診察を受け薬をもらうことを繰り返していれば良いと思っていた。

 

また、妻が認知症と人に知られるのも避けたかった。身内以外、誰にも言わずに数カ月間、苦労をしながら自宅介護を続けていた。

 

ある日、妻を良く知る親しい友達に会った。

 

「奥さん、お元気ですか」


と聞かれた。そのとき、初めて認知症だと人に伝えた。

 

「えっ。あの明るい奥さんがですか? 可哀想に。現在、要介護は何番ですか?」


と問われた。

 

「えっ、要介護って、何?」


と聞き返した。介護保険制度について、私は全く無知だった。妻にすまないと思った。彼の母親が、認知症で、その知識は豊富だった。

 

「棚橋さん。介護保険の手続きは、していないの?」


「していないけど? どうして?」と尋ねた。

 

「何してんの。早くしてあげないと、奥さんが可哀想だよ」


と指摘されいろいろと詳しく教えてくれた。

 

「介護保険料を支払っていれば、必要な介護サービスが受けられる。市役所に申請して、市役所が介護の支援が必要な状態だと判断すれば認定されます。そのランクが、要支援1~2。要介護1~5まである。その決定には、本人が調査され、その後、介護認定されます。それを基にして、デイサービスやヘルパー派遣、その他の介護サービスをいろいろと受けられるので、すぐに動きなさい」

 

と言ってくれた。有り難かった。感謝した。良いと思えば、すぐに行動するのが私の性格だ。

 

翌日、市役所に電話して手順を聞いて行動した。2012年5月のことだった。最初に、地域包括センターを訪問し妻の詳しい病状を伝え申請書を提出した。とても親切に対応され、何でも相談できる雰囲気だった。

 

その後、枚方市役所から女性調査員が訪問してきて、聞き取り調査を受けた。

 

妻の病状の経緯と症状、妻と私を含めて心身の状態の問診調査を受けた。調査から1カ月くらいで「要支援1」と認定され妻に介護保険証が交付された。「要支援1」は、1年間有効だった。1年後も引き続き申請書の提出を続けた。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症介護自宅ケア奮闘記 私の知恵と工夫』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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