日本の持ち家率は6割超え。マイホーム志向が低下しているとはいえ、多くの日本人は「家を買おう」と奮闘しているわけです。しかし家を買えばそれで終わりかといえば、そうではありません。新築であっても経年とともに劣化し、ライフステージの変化によって、リフォームは必須になってくるでしょう。そこで国土交通省の統計資料から、いまどきのリフォーム事情を紐解いていきます。

70代で家をリフォーム…銀行から融資は受けられるか?

マイホームのリフォーム事情。リフォームを行う時点での「世帯主の平均年齢」は60.0歳。「世帯主が年金受給者」というリフォームは18.4%です。単なる経年劣化による修繕だけでなく、老後を見据えたリフォームが多いということでしょう。

 

しかしそこで気になるのが世帯主の年齢です。冒頭、新築一戸建てを建て、住宅ローンを払い終えた平均となる70代でリフォームとなると、融資を受けられるのか、少々不安になります。

 

リフォーム資金をローンで準備する場合、リフォーム専用ローンがあります。金利は住宅ローンに比べて高めで、借入年数は15年間など短め。借入可能額は数十万円~1000万円程度です。規模の大きなリフォームの際は、住宅ローンが利用できる場合もあります。

 

民間金融機関への調査である、国土交通省『令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査』によると、「融資を行い際に考慮する項目」として以下をあげています。

 

【民間金融機関…融資の際に考慮する項目】

完済時年齢 99.1%
健康状態 98.2%
担保評価 98.2%
借入時年齢 97.8%
年収 95.7%
勤続年数 95.3%
連帯保証 95.1%
金融機関の営業エリア 91.0%
雇用形態 76.4%
融資可能額(融資率)①購入の場合 74.3%
融資可能額(融資率)②借換えの場合 69.4%
国籍 69.3%
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 64.2%
申込人との取引状況 45.8%
業種 30.1%
家族構成 23.7%
雇用先の規模 21.6%
所有資産 21.0%
性別 17.5%

 

「年齢」は金融機関が重視する点であり、年齢を理由に融資を断るケースがあるということです。リフォームの融資でも同じことがいえるでしょう。

 

『令和元年度住宅市場動向調査』でリフォームの「希望融資を断られた」と回答したのは3.4%とわずかです。しかし断られた理由は「年齢」が100%ということから、仮に70代で住宅ローンを完済し、そこからリフォームを行おうと融資を申し込んだとしたら、借入時の年齢、完済時の年齢を理由に、融資を断られる可能性は高いでしょう。

 

新築のマイホームも時間が経ちボロボロ。リフォームの必要があるけれど、融資を受けられず断念……そんな辛い老後がないとはいえないのです。

 

そんなことに陥らないよう、たとえ平均年齢近くで家を建て、30年近くのローンを組んだとしても、繰り上げ返済を行い、年金暮らしが始まる前に完済。すぐに老後を見据えてリフォームをする、というプランが得策だといえます。

 

 

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