日本の持ち家率は6割超え。マイホーム志向が低下しているとはいえ、多くの日本人は「家を買おう」と奮闘しているわけです。しかし家を買えばそれで終わりかといえば、そうではありません。新築であっても経年とともに劣化し、ライフステージの変化によって、リフォームは必須になってくるでしょう。そこで国土交通省の統計資料から、いまどきのリフォーム事情を紐解いていきます。

新築一戸建て「30年後にはリフォーム」は必須だが…

43歳の会社員。世帯平均年収は744万円で、念願の新築一戸建てを4615万円で建てる。銀行から3361万円の住宅ローンを借り、返済期間は30年ほど……。

 

国土交通省『令和元年度住宅市場動向調査』による、新築一戸建てを建てた平均像です。月々10万円強の返済をつづけた頃には70代。定年を迎え、公的年金を頼りにして暮らす日々……そんなときにようやく、住宅ローンから解放される、というのが、一般的な姿というわけです。

 

しかしこれで終わりというわけではありません。もちろんローン返済中にも、屋根や外壁など、多少の修繕を行う必要はありますが、築30年を超え、高齢夫婦の生活を考えると、それなりのリフォームを考えたくなる年齢です。

 

前出の調査によれば、リフォームする住宅の平均は築27.9年。「初めのリフォーム」が圧倒的に多く、40.5%。一方で「5年以内にリフォームをしたばかり」という人が23.2%います。こまめな修繕が家を長持ちさせるコツ、とも言われますので、これは納得の結果でしょうか。

 

仮に平均的年齢で新築一戸建てを建てたとすると、ローン化を完済したころには高齢となった自分たちが快適に暮らせるようにとリフォームを考えるでしょうか。リフォームの動機として「家族や自分の老後に備えるため」は11.2%、「介護のため」は4.2%。リフォームを手掛ける人の6人に1人は、高齢を理由としたリフォームです。

 

高齢者対応設備が整備されている割合をリフォーム前後で比較すると、個々の 設備でリフォーム後の整備率が高くなっており、「手すり」は12.5%から 20.2%へ、 「段差のない室内」は8.7%から12.4%へ、「廊下などが車椅子で通行可能な幅」は5.9%から6.7%、「浴 室・トイレの暖房」は9.9%から14.0%へ、「それらすべてが満たす世帯」は2.0%から2.7%となっています。

 

「リフォーム資金の平均」は178万円。そのうち「平均借入金」は41万円、「平均返済期間」は15.7年です。その多くを「民間金融機関」か、「住宅金融支援機構」から借り入れています。

 

もっと住み心地の良い家に…(※画像はイメージです/PIXTA)
もっと住み心地の良い家に…(※画像はイメージです/PIXTA)

 

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