来客の案内時は、歩調を合わせつつ「2~3歩前を歩く」
会社にいらっしゃったお客様を面談場所などへ案内する際にも、マナーは要求されます。まず、「2階の応接室にご案内します」などと行き先を告げないと、お客様はどこまで行くのか不安になります。一緒に移動するときもお客様を先に歩かせては、お客様は困惑してしまいます。前を歩くとしても、後ろのお客様を確認せずに早足でどんどん歩くのは失礼です。
【接客中の歩き方の基本】
●歩調を合わせてお客様の2~3歩前を歩く。ときどき振り返ってお客様の様子を確認する。
●お客様に構わず早足で歩くのはNG。
●階段を上る場合は、自分が高い位置にならないようにお客様の後ろを歩く。
●お客様が女性で自分が男性の場合は、後ろを歩くとスカートの中をのぞいているような誤解を与えかねないので、上りでも「お先に失礼します」と言ってから自分が先に歩く。階段を下りる場合は、お客様を見下ろさないように自分が前を歩く。
【エレベーターでは上座、下座を意識する】
エレベーターを利用して移動する際は、扉の開閉を含めて操作はすべて自分が担当し、お客様が先に乗り、先に降りるようにします。階段を使って移動する際は、上るときはお客様の後ろ、下りるときは前になって、お客様を見下ろさないようにしましょう。部屋に到着したら、ノックして部屋が空室であることを確認してから、ドアを開けてお客様を上座に案内してください。
●エレベータが来たら、開くボタンを押した状態でドアを手で押さえながら、お客様を先に乗せる。目的階に到着したら、中で開くボタンを押した状態で、お客様を先に降ろす。
●エレベーターの中では、操作盤の前に立つようにする。エレベーターの中にも席次があり、図の1→2→3→4の順番で、1が一番の上座、4は一番の下座。なお、エレベーター内ではお客様のほうを向いて立ち、お尻を向けないようにする。
●部屋に着いたら、ドアをノックして空室であることを確認。ドアを開けてお客様を中に入れる。
●奥の上座の席をお客様にすすめ、あいさつして退席する。
所持する名刺の枚数には、いつも余裕をもっておく
社会人になると様々な場面で名刺交換を行います。人脈が広がれば、ビジネスに新たな展開が生まれるので、その第一歩とも言える名刺交換は非常に重要です。名刺の渡し方、受け取り方の両方にマナーが存在します。名刺交換の場で名刺を忘れたり、持っている名刺が汚れていたりするといけないので、常に余裕をもって名刺を所持しておくようにしましょう。
【名刺交換の基本的なマナー】
●会社名と名前を名乗って、両手で名刺を持って相手に渡す(訪問を受ける側のときは部署名と名前を名乗って自己紹介する)。相手が名刺の文字を読める向きで渡す。
●名刺は訪問した側から渡すのがマナー。お客様と名刺交換する場合は、新入社員でもまずは名刺を受け取ってから、相手に名刺を渡す。その際に「申し遅れましたが」と言うようにする。
★名刺を受け取る際は「ちょうだいします」と言いながら両手で受け取る。
★片手での名刺交換はNG。持っている鞄は足元に置いて、両手で名刺交換を行う。
★汚れたり、折れたりしている名刺を渡すのは失礼。汚れた名刺しか持っていない場合は、「ただいま名刺を切らしております」と説明して、口頭で自己紹介し、相手の名刺を受け取る。
【複数の人数での交換は目上の人から】
名刺を渡す順番にもルールがあります。「訪問した側から渡す」「目下側から渡す」「相手が複数なら役職が上の人から渡していく」「上司が同席していたら、上司の名刺交換が終わってから自分も名刺交換を行う」などが基本のルールです。こうしたルールに従った行動が自然とできるように、名刺交換のマナーをしっかりと覚えるようにしましょう。
●複数の人数同士で名刺交換をする場合も同じく、役職の高いほうから順番に交換をしていく。
●こちらが一人で複数の相手と名刺交換をする場合は、役職が上の人からする。誰が役職が上か分からない場合は上座にいる人から行う。
●受け取った名刺はすぐに仕舞わない。1枚なら机の上に名刺入れを置いて、その上に置く。
●相手が複数いる場合、座席順と合わせて机上に並べる。
(本文イラスト:本村 誠)
◆One Point◆感謝を伝えるポイント
もらった名刺はその日のうちに整理します。忘れないように相手の特徴などの情報を裏面に書いてもいいでしょう。名刺の管理には専用のアプリも役立ちます。
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