たとえ新入社員であっても、そこにいるだけで賃金や責任が発生します。それだけに周囲の目もシビアだといえます。評価を勝ち取るために、まずは基本の心得から学んでいきましょう。著名な経営コンサルタントの平野敦士カール氏が、豊富なイラストを用いて評価を得るポイントを解説します。※本記事は、『入社1年目でマスターしないと恥をかく 仕事の基本見るだけノート』(宝島社)より抜粋・再編集したものです。

教わろうとする姿勢が重要!まずは素直に聞いてみよう

”新入社員が、まず心がけなければならないこと。それは、先輩や上司から素直に学ぶ姿勢です。

 

勘違いしてはいけません。新入社員は、決して「新入生」ではないのです。学生の頃とは違い、金額の多寡はありますが、あなたがそこにいるだけで「賃金」が発生しますし、そこには責任も伴います。とはいえ、出社初日から給料分の働きができる人は、ほとんどいません。だからこそ、新人の基本、心得るべきポイントは知っておきたいものです。

 

新入社員として心得ておくべきポイント、それは「自分ができないという事実を認める」ことです。人間は、プライドが邪魔をして見栄や虚勢を張ってしまうもの。しかし、あなたはあくまで新人です。自分が右も左も分からないということを忘れてはいけません。先輩や上司に対して、教わろうという姿勢が重要になります。気になることは質問してもいいでしょう。しかし、まずは素直に聞くという姿勢が大切です。

 

【新入社員の心得 補足ポイント】

 

あいさつができることは、新入社員の大切なポイント。そのためには、社内外で関わる人たちの顔と名前を覚えることが重要です。名前を呼んで挨拶すればきっと好印象をもたれるでしょう。そして「時間・ルール・約束」の3つの心得を守りつつ、プラスαの活躍ができれば、いち早く会社から認められるはずです。

 

【ビジネスパーソンの1日】

 

 ●出 勤 

 

家を出る前に、まずは身だしなみをチェック。定刻に仕事を始められるように、余裕をもって家を出るようにしましょう。出社したら、同僚や上司に明るくあいさつすることも大事なポイントです。

 

 ●就 業 

 

会社は私的な空間ではありません。公私をきっちりと区別し、大声・笑い声・私語は慎みましょう。身の回りの整理整頓を心がけ、離席するときは「行き先」「所要時間」「戻る時間」を伝えておくようにしましょう。

 

 ●休 憩 

 

いくら休憩中とはいえ、会社の機密情報はもちろんのこと、悪口も漏らしてはなりません。仕事で知り得た情報は、家族であっても気軽に話さないようにしましょう。休憩時間をしっかり守ることもお忘れなく

 

 ●退 社 

 

その日の仕事が終えたら、机を整頓し、使った資料は元に戻しましょう。その日の業務を振り返り、明日の計画を立てておくことも大切です。同僚、上司に「お先に失礼します」とあいさつするようにしましょう。

ほとんどの仕事は「ホウレンソウ」で成立している

社会人の基本は「報告」「連絡」「相談」。これを怠ると、とんでもない大事故が起こるかもしれませんよ?

 

新入社員にとって、先輩や上司との関係は戸惑いばかりが先行してしまうはずです。だからといって、敬遠すると仕事はスムーズに進みません。良い成果だけでなく、失敗やトラブルも正確・迅速・簡潔に共有することで、ビジネスはスムーズに展開します。報告・連絡・相談の頭文字を取ったビジネスシーンの慣用句「ホウレンソウ」。新入社員のあなたも、一度は耳にしたことがあるかもしれません。

 

これを徹底するのは社会人の務めであり、ほとんどの仕事は、この「ホウレンソウ」で成立しているといってもいいでしょう。これは何も社内だけのことではありません。社外の顧客や取引先にも「ホウレンソウ」怠らないように気をつけましょう。現代はコミュニケーションツールが多様に発展しています。先方との関係性に注意を払いつつ、電話やファックス、メールなどを駆使しながら、確実に実行しましょう。

 

【「ホウレンソウ」のポイント】

 

 ●「ホウ(報告)」の4つのポイント 
 

★早めに報告

なるべく早い段階で、作業を指示した上司に直接報告しましょう。

 

★結論を先に伝える

まず結論を先に述べ、その後そこに至った経緯を述べます。

 

★事実と意見、憶測は切り分ける

まずは事実を述べ、その後、自分の意見や憶測を伝えましょう。

 

★必要なら資料をそろえる

複雑な内容だったりデータが必要なものは、できるだけ資料を添えようにします。

 

 

 ●「レン(連絡)」の4つのポイント 

 

★細かいことも連絡する

新人のうちは、細かいことでも確実に上司に伝えましょう。

 

★曖昧な言葉は使わない

「~みたいです」「~のようです」といった曖昧な言葉は混乱の元。

 

★電話、ファックス、メールを活用して迅速に共有

機密性が高くない内容なら、状況に応じて電話、メールなども活用。

 

★関係者全員に伝える

一部の関係者に必要な情報が伝わっていないと、混乱が生じます。

 

 

●「ソウ(相談)」の4つのポイント

 

★すぐに相談 

ミスやトラブルが発覚した場合は、事態が悪化する前の報告が重要。

 

 ★相手の都合も考える 

至急の相談でなければ、上司のスケジュールや都合を見て相談。

 

 ★自分なりでもいいので対策を用意 

自分なりの対策を用意し、上司に提案し相談してみるのも可。

 

 ★なんでも相談はNG 

勤務中は、仕事に関係のない相談を上司にするのは控えましょう。

 

(本文イラスト:本村 誠)

 

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入社1年目でマスターしないと恥をかく 仕事の基本見るだけノート

入社1年目でマスターしないと恥をかく 仕事の基本見るだけノート

平野敦士カール(監修)

宝島社

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