2021年も4月を迎え、多くの新卒生が社会人デビューを果たしました。近いうちに初めての給料を手にするでしょうが、そのとき「一生涯でどれくらい稼ぐことができるのだろう」と疑問に思う人も多いでしょう。そんな質問をされたとき、どのように答えたらいいのか、厚生労働省の統計などから紐解いていきます。

家族4人…平均な教育費、住居費、公的年金額

厚生労働省『人口動態』によると、平均初婚年齢は男性31.1歳、女性29.4歳。そこで子供が2人、誕生したとしましょう。

 

文部科学省『平成30年度子供の学習費調査』によると、幼稚園では公立で約64万円、私立で約158万円、小学校では公立で約192万円、私立で約959万円、中学校では公立で約146万円、私立で約421万円、高等学校では公立で約137万円、私立で約290万円がかかります(図表2)

 

出所:厚生労働省『平成30年度子供の学習費調査』より作成
[図表2]子どもの学習費の目安 出所:厚生労働省『平成30年度子供の学習費調査』より作成

 

さらに文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』で大学の学費を見ていくと、初年度、国立大学の納付金は81万7800円、私立大学は文系で117万2582円、理系で154万9688円。4年間では、国公立大学で250万円ほど、私立大学文系で400万円、私立大学理系で550万円程度の費用が必要です(図表3)

 

出所:文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』
[図表3]大学の学費 出所:文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』

 

仮にすべて国公立校に通ったとしたら、子ども1人に約800万円、2人なら約1600万円にもなります。そこに塾などの教育費もプラスすると、最低でも子ども1人に1000万円は見ておく必要はありますし、すべて私立校に通わせたら、1人あたり2000万円超は覚悟しておく必要があります。

 

さらに住宅はどうでしょうか。国土交通省『住宅市場動向調査(令和元年度)』によると、新築一戸建てを建てた場合の購入資金(住宅建築費+土地購入費)の平均は4615万円。そのうち自己資金は1254万円、3361万円はローンを組んだことになります。新築一戸建て購入者の「世帯主」は平均43.2歳、「ローン返済期間」は平均33.8年、「年間返済額」は平均121万6000円。70歳を超えるまで、毎月10万円強を返済にあてる計算となります。

 

子ども2人に最低でも2000万円をかけ、3300万円の借金をして夢のマイホームを手に入れる……世間一般的な幸せを手にするには、結構なお金が必要です。

 

こうして60歳の定年を迎えたとします。仮に奥様は同い年で、結婚を機に専業主婦になったとしましょう。65歳から夫婦で受給できる年金は、概算で男性17.7万円、女性7.5万円、合計25.2万円になります。

 

総務省『家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2020年』によると、65歳以上世帯の実支出は26万3662円。年金だけで足りない分は、貯蓄を切り崩してやり繰りする生活が始まります。

 

平均的な生涯賃金、そして平均的な家庭を築いた際の支出、そして老後の暮らし……すべて平均的な人生を送れるとしたら、こんな人生が待っています。ただし何が起きるか分からないのが人生。できるだけ早い段階で、長期的な視点での資産形成を開始したいものです。

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