大卒の新卒社員…定年までいくらもらえるか?
4月1日の今日、多くの人が入社式を迎えたことでしょう。例年程度の大卒新卒者がいると考えると、その数、50万人弱。前代未聞の緊急事態宣言発令を前にした昨年に比べ、対面式の入社式がひっそりと復活……そんなニュースも聞かれますが、新入社員のみなさんは、希望でいっぱいになっているのではないでしょうか。
そんななか、新卒であれば気になるのが「この先、給料はいくらもらえるのか? いくら必要なのか?」ということ。
厚生労働省『令和元年賃金構造基本統計調査』によると、大卒初任給は男性で21万2800円、女性で20万6900円でした。
その後、男性は30代に入ると月給が30万円を、40代に入り40万円、50代に入り50万円を超えます。月給のピークは50~54歳で53万5200円です。
20~24歳 22万9200円
25~29歳 26万6400円
30~34歳 32万1800円
35~39歳 37万6600円
40~44歳 42万9500円
45~49歳 47万5800円
50~54歳 53万5200円
55~59歳 52万2900円
女性の場合は、年齢によって正社員率が低くなるため、男性よりも平均賃金は低め。賃金カーブは男性同様、月給のピークは50~54歳で39万9200円です。
20~24歳 22万4800円
25~29歳 24万9900円
30~34歳 28万400円
35~39歳 30万3800円
40~44歳 33万9600円
45~49歳 35万9700円
50~54歳 39万9200円
55~59歳 39万1200円
上記の所定内賃金に手当や賞与をプラスすると、大卒でフルタイムの正社員で60歳の定年まで働いたとすると、単純計算ですが、生涯賃金は男性は2億5497万円、女性は1億9312万円となります。
手取り額は2~3割減となるので、男性の場合は1億8000万円あまり、女性の場合は1億3500万円あまりを手にすることになります。もし大卒新入社員に「この会社にいたら、どれくらい稼げるものですか?」と聞かれたら、「会社員の平均は1億8000万円ほどと言われているけどね」と返しておけば結構です。
これはあくまでも2019年の水準。経済の状況によっては給与がさらに上がることも期待できます。そこで2001年以降の平均給与の水準を見ていきましょう。
男女計の平均賃金は、2001年は30万5800円 、2019年は30万7700円。ほぼこの20年変わっていません。この先の日本、劇的に経済が良くなることは考えにくく、ある意味、生涯賃金がどれくらいかは、新卒新入社員の段階で、すでに見えているといってもいいかもしれません(図表1)。