今回は、親の空き家を売却する際に不動産会社にしておきたい質問と、貸す場合の留意点について見ていきます。※本連載は、「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける株式会社風の代表取締役、大久保恭子氏の著書、『どうする?親の家の空き家問題』(主婦の友社)の中から一部を抜粋し、空き家になった親の家への対処法を紹介します。

不動産会社へのヒアリングからスタート

前回の続きです。

 

不動産会社へは次の質問をしてみましょう。その前に、どの不動産会社に質問するかですね。インターネットで検索していると、積極的に情報を出している不動産会社がわかってきます。そのうちの2〜3社に電話やメールで問い合わせてみると、ある程度のことは「実際にはあなたの親の家を見てみないと」と断りを入れつつも、教えてくれるはずです。

 

質問1: 買い手がつきやすいか、つきにくいか?

 

親の家の立地は、人が住みたがるところか、住むとしたらどんな職業のどんな家族構成の人が住みたがるのか、実際のところを尋ねてみましょう。

 

そうすることで、買い手が多いのか少ないのか、それらの買い手の暮らしに合った家なのか、また買い手の経済力から見て親の家の売り出し価格(この段階ではあくまでも予想です)は、手が届く価格相場なのかがわかってきます。

 

つまり「買い手がつきやすい」「買い手がつきにくく時間がかかる」「買い手はいない」といったことがわかってきます。

 

質問2:実際にはいくらくらいで売れる?

 

インターネット上で把握した売り出し価格は、あくまでも親の家に似た地域の似た家の売り出し価格です。そしてそれは、あくまで売り出すときの希望の売り値。買い手がなかなかつかないとなれば、売り出し途中で値下げをしたり、やっと現れた買い手からの値下げ要求をのむこともあり、1割程度下がることは珍しくはありません。

 

実際の成約時の価格の状況を不動産会社に尋ねることによって、親の家は実際には、どれくらいで売れる、売れないといったことがわかってきます。

 

最近は特に買い手が多い人気の立地を除き、固定資産税評価額を目安に売り出し価格の査定がなされている、と聞いています。

 

質問3:売れるまでの期間はどのくらいか

 

売りに出すと、すぐに買い手がつくことは稀です。不動産会社からは「売りに出してみなければわからない」という断りが入るでしょうが、親の家の仕様から見て、売却できるまでの期間はどのくらい見ておくべきか最近の取引事例はどうだったか、を尋ねましょう。

 

特に一戸建ては時間がかかることを覚悟しておいたほうがいいでしょう。半年で売れれば、それはスムーズなほうで、1年もしくはそれ以上かかることもあります。

貸す場合はリフォームがカギ、地元不動産会社に相談を

「貸す」ならではの留意事項は「リフォーム」です。個別性が高いのであくまでも一般論ですが、築15年超の家は、水回りや床・壁を「リフォーム」したうえで貸し出すことになります。

 

地元の不動産会社で借り手をつけるには、どの程度のリフォームが必要でいくらかかるか?その場合の家賃はいくらか?家賃で回収できるまでの期間は? その期間を経過するとさらに追加のリフォームが必要か? などをしっかり質問しておく必要があります。

 

次回は、最もふさわしい有効活用方法を絞り込んでいきましょう。

本連載は、2015年8月31日刊行の書籍『どうする? 親の家の空き家問題』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

どうする? 親の家の空き家問題

どうする? 親の家の空き家問題

大久保 恭子

主婦の友社

空き家対策特別措置法施行により、親の家を空き家で放置することがますます大きな問題に! 今や親が残してくれた空き家は国民的問題。空き家の数は過去最高の820万戸。環境悪化や倒壊など、空き家の長期放置がもたらす外部不…

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