新型コロナ感染の拡大によって苦境に陥る企業の中には、早期退職を募るケースも。中には「脱・会社人」と、喜び半分で応募するケースもあるといいます。早期退職後、本当に夢のような生活が待っているのでしょうか。

50歳で早期退職…年金を手にするまでいくら必要か?

新型コロナウイルス感染の拡大により業績が低迷。早期退職を募り、危機を脱しようとする企業の話題を目にする機会が増えています。

 

このような場合、「年収×2」程度の退職金が用意されていることが多いので、「ジリ貧の会社に残るより、早期退職したほうが得だ!」と決断するケースも。

 

内閣府『老後の生活設計と公的年金に関する世論調査』によると、一般的な定年の60歳を前に「仕事を辞めたい」と考えているのは25.7%。会社員の4人に1人にもなります。そんなときに「年収の倍をあげるから、会社、辞めないか?」とお誘いがあったとしたら……思わず「ハイッ!」といってしまうのもうなずけます。

 

仮に定年よりも10年早く、50歳で早期退職した場合を考えてみましょう。

 

国税庁『民間給与実態統計調査』によると、50歳の平均給与は524万5000円。早期退職制度を利用して、年収の倍、1049万円の退職金を手にしたとします。公的年金がもらえるようになるまでの15年の暮らしぶりはどうなるでしょうか。

 

総務省『家計調査』(2020年)によると、30~59歳・男性単身世帯・勤労者の場合、月に15万円程度、支出しています。

 

【男性単身世帯(~59歳)の月の支出】
消費支出 15万2268円
 食費(外食含む) 4万5170円
 住居費 2万6057円
 光熱・水道費 1万1510円
 家具・家事用品 4124円
 服飾費 4791円
 保険・医療費 5494円
 交通・通信費(自動車関連費含む) 2万4492円
 教育娯楽費 1万5042円
 その他(散髪、タバコ、交際費等) 2万6676円

 

単純に公的年金がもらえるようになるまでの15年間、働いていたときと同じレベルの生活をしたいと考えるならば、2740万8240円ないといけません。先ほどの退職金を差し引くと、1691万8240円です。

 

退職時点でそれだけの貯蓄があれば、「もう会社に縛られない人生を送るんだ!」という夢は、まず一歩、近づくことになるわけです。

 

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