年間約130万人が亡くなる日本社会。故人の遺産をめぐり、親族間で醜い争いになるケースが多発しています。相続が発生してから「家族と絶縁する羽目になった…」「税金をごっそり取られた…」と後悔してしまわないためにも、トラブル事例を見ていきましょう。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説していきます。

「家を守りたい」という思いを覆した長男は…

今回のケースの場合、生活拠点を移したり、2つの住居を維持するのは、現実的な選択肢ではありませんでした。庭には素晴らしい枝ぶりの植木が何本もありますが、プロによる剪定など今後の維持が負担になりますし、賃貸に出さない限り固定資産税は持ち出しです。また、家自体も築30年以上経過してすでに老朽化が進み、賃貸に出すにはかなりの修繕費がかかることが予想されました。

 

当初は父親の暮らした家を守りたいと思い、そのつもりで弟と遺産分割協議をした小野さんでしたが、事情を総合的に判断し、売却を提案した筆者の意見に納得され、方向転換を図ることになりました。結果的には無事に売却ができ、大変喜んでいただくことができました。

 

懐かしい家は動産へと姿を変え、維持管理が容易になっただけでなく、今後の選択肢も増えました。引き継いだ父親の資産をこれからも大切に守りつつ、活用していただけたらと思います。

 

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

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本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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