医療では必ずミスが起こる…チームによるエラー対策3つの基本

医療現場では多くのトラブルが発生している。医療は、とくにチームで対処せざるを得ないというシステム上の構造を持っていて、合理的にチームのパフォーマンスを向上させなければなりません。理療現場ではどのようにチームによるエラー対策をすべきか解説していきます。※本記事は河野龍太郎氏の著書「医療現場のヒューマンエラー対策ブック」(日本能率協会マネジメントセンター)より抜粋・再編集したものです。

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行動モデルから考えるシステムのリスク低減

どうすれば問題の多い医療システムのリスクを下げることができるのでしょうか。人間の行動モデルや情報処理モデルを手がかりに考えてみましょう。

 

●レヴィンの行動モデルB=f(P、E)から

 

ヒューマンエラーとは「人間の行動が、ある許容範囲から外れているもの」でした。

 

もっとも重要なモデルは、レヴィン(Lewin,K.)の行動モデルB=f(P、E)でした。

 

また、レヴィンの行動モデルB=f(P、E)は、2度利用されていることを説明しました。人が正しく行動するためには、

 

①環境の中に正しい情報が存在すること

②それを正しくマッピングして心理的空間と物理的空間を一致させること

③心理的空間から正しい判断ができるような能力を人間が備えること

 

の条件を満足しなければなりません。とくに②が重要です。

 

医療システムは正しい判断のために必要かつ十分な情報が不足しているシステムでした。また、リスクの積み木モデルでわかるように「安全は存在せず、あるのはリスクだけ」ですから、どうすればリスクを限りなく低くするかを考えることになります。

 

エラー対策の11段階の発想手順は、主に個人としてのエラー対策です。ここでは、医療システムを正しく動かすという視点で対策を考えてみましょう。

 

11段階の戦術的エラー対策の発想手順

 

●どんなに優秀な人でも、正しい情報がなければ正しい判断はできない

 

どんなに優秀な人でも、必要かつ十分な情報がなければ正しい判断・行動をすることはできません。その点、医療は最初から情報が欠落しているシステムです。これを補うためには、仕事はチームでやらざるを得ません。

 

そして、チーム作業では最終的にリーダー個人が判断しなければならず、このためにはリーダーが正しいマッピングをしなければなりません。

 

また、完全な人間はいないので、ある人のエラーをバックアップできるようなことも考えておかねばなりません。

 

では、どうやって不足している情報を補えばよいかを考えてみましょう。1人では限界があるので、チームで問題を解決するという対策が考えられます。

 

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株式会社安全推進研究所 代表取締役所長
学校法人東京女子医科大学 理事長特別補佐(医療安全・危機管理担当)
日本人間工学認定人間工学専門家 博士(心理学)
自治医科大学 名誉教授

防衛大学校(航空要員、電気工学)を卒業し、航空局東京航空交通管制部で12年間、航空管制官として勤務。

航空機を衝突コースに誘導するというエラーを経験し、エラー防止を目的に心理学を専攻。

その後、東京電力(株)技術開発本部で原子力発電プラントのヒューマンファクターを研究。ある医療事故の関係者と出会い、医療が安全に関して極めて問題の多いことを認識。

医療安全の問題に本格的に取り組むため、2007年に自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンターに勤務(センター長、医療安全学教授)。

一貫して航空、原子力、医療、交通、製造システムなどのリスク管理および事故におけるヒューマンファクターの問題を研究し続けている。

著者紹介

連載人間の行動メカニズムから理解!医療現場のヒューマンエラー対策

医療現場のヒューマンエラー対策ブック

医療現場のヒューマンエラー対策ブック

河野 龍太郎

日本能率協会マネジメントセンター

医療現場のヒューマンエラーはゼロにはできないまでも、管理して減らすことができます。人間の行動モデルをもとに、 B=f(P、E) という式を知り、それによって人間の行動メカニズムを理解することがその第一歩です。 …

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