2020年4月、新型コロナウイルスの対策として緊急事態宣言が発令された際、日本のGDP成長率は年率-20%という事態に陥りました。未曽有の事態が続く中、FOUR SEASONS ASIA INVESTMENT Pte. Ltd. のCEO・国府田茂佳氏は今後の経済について「日本人が過去に見慣れた道筋とは違うタイプの回復」になると予測します。

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「コロナが収まったら…」社交辞令でない挨拶

昨今では「コロナが収まったら」集まりましょう、飲みましょう、会いましょう、という約束が溜まっているはずです。よくある社交辞令ではなく、本気の約束が主流のはずです。例年の行事であるOB会や季節の集まりなども全国で溜まっています。家庭では先祖の墓参りでさえ先送りになっていましょう。これは世界的な現象です。

 

ビジネスでいうところの受注残のようなものです。飲み会ということを考えても、昨今少しずつ緊急事態宣言の影響で閉店を余儀なくされる居酒屋さんが増えている模様です。店の数が減っている中でワクチンの浸透などを通じて経済活動が正常化してきたら、溜まった飲み会があちこちで始まるわけです。

 

特にコロナの症状が深刻化しない若い世代は当然でしょう。インフルエンザが流行しても外食産業にほとんど影響がなかったわけですから。恐らく店は予約で一杯になるのではないでしょうか? 

 

この3~4ヵ月、1日当たりのコロナ陽性者が平均して0~3人くらいで推移するシンガポールでは依然としてオフィスの出社は全社員の半分まで、外でのマスク着用は罰金を伴う義務、という厳しい対策を続けています。しかしそれでも評判のいいレストランは予約で一杯です。予約できるのは数ヵ月先、といわれることもあります。

 

航空会社もリストラを余儀なくされ、この1年キャビンクルーの解雇のニュースなどをよく目にしました。キャビンクルーなどの特殊な職業の場合は、いったん解雇して他の業種に転職してしまったら簡単に呼び戻せないでしょうし、新卒・未経験者をトレーニングするには時間が必要です。

 

全体に供給能力が先細っているところにトラベルの正常化が進んだらどうなるでしょうか? 完全に正常化とまでいかずとも、ワクチンを打った証明があれば隔離期間を短くする、という政策になるだけで旅行をしたい人は相当いるはずです。

 

ビジネスの世界、特に半導体産業や電気自動車関連分野で、現地での機械設置やエンジニアの調整を待っているプロジェクトについて多く耳にします。潜在的なトラベル需要が溜まっているわけです。恐らくチケットの奪い合いか、チケット価格の高騰でしょうか?

 

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