コンタクトレンズによる角膜障害のリスク
コンタクトレンズはメガネをかけたくないときに便利なものですが、使い方を間違えると目にかかる負担が大きくなります。コンタクトレンズを製造・販売する事業者で構成された一般社団法人日本コンタクトレンズ協会は、公式サイトで4つの「コンタクトレンズによる目の病気」を挙げて注意を促しています。
角膜上皮障害
長時間つけ続けている、レンズが汚れているなどの理由で角膜上皮(角膜の外側表層)に傷が付いたり、上皮細胞が剥がれたりすることがあります。
細菌性・真菌性の角膜潰瘍
角膜上皮の傷に細菌やカビが侵入することによってそれらが繁殖し、潰瘍が生じます。治療後も視力障害や混濁が残る場合があるので注意が必要です。
アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバ(汚れた水や土の中で生息する微生物)がレンズに付着して目に入ると、角膜上皮に傷があった場合、そこから侵入して感染する可能性があります。発症すると非常に治りにくく、視力障害が残ったり、失明したりすることも少なくありません。
巨大乳頭結膜炎
アレルギー性の結膜炎の一種です。レンズに付着したタンパク質などの汚れが原因でアレルギー反応を起こし、結膜(上まぶたの裏側)にブツブツ(乳頭)ができて炎症を起こします。
このなかで、特に気をつけたいのは角膜感染症のなかでもアカントアメーバ角膜炎です。アカントアメーバは海水や温泉、水道水にも生息していることがあります。初期症状は目ヤニや充血が見られる程度ですが、悪化すると失明に至る恐れも出てきます。
そもそもコンタクトレンズは角膜に直接のせて使うものですから、角膜を傷付けるリスクが高いことを忘れないようにしなくてはなりません。長年にわたって使い続けている人ほど、衛生面や安全面で「この程度なら大丈夫」と過信してしまう傾向があるようです。
日本眼科医会はそのほか、コンタクトレンズの使用が原因になる眼疾患として眼瞼下垂(がんけんかすい)やドライアイにも注意を促しています。
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