「人生100年時代」になりつつある今、老眼や白内障対策の重要性は以前とは比べられないほど高まりました。クリアな視界を手に入れるための手段は眼鏡やコンタクトなど様々ですが、鈴木眼科グループの鈴木高佳氏が専門家の視点で、それらを比較検討します。

「人生100年時代」、後半50年はどう過ごしますか?

自分が老眼になってみて、初めてその煩わしさを知った人も多いのではないでしょうか。昔から人間は歳を重ねると、よく見えなくなった目の不自由さを抱えながら生きていくしか方法がなかったのです。

 

仮に50歳で老眼を自覚したとして、平均寿命が70歳の頃ならラスト20年間が「老眼時代」でした。60~65歳で仕事をリタイアし、その後はのんびりと自宅中心の余生を送るのであれば、老眼の煩わしさぐらいは「もう歳だから」と我慢できたかもしれません。

 

しかし現在は「人生100年時代」です。50年もの老眼生活は、どう考えても長過ぎるというのが私の意見です。

 

「人生100年時代」の概念は、イギリスのリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが2016年に著した『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』が大ベストセラーになってから、飛躍的に認識されるようになったといわれています。世界の長寿化がこのまま進むとすると、先進国では2007年生まれの人々であればその半分が、100歳を超えて生きるだろうと本書は述べています。

 

厚生労働省の調べによると、2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳でした。男性は8年連続、女性は7年連続で過去最高の数字を更新しています。2000年の平均寿命は男性77.72歳、女性は84.60歳でしたから、このペースでいくと人生、100年時代の到来は決して遠い未来の話ではありません。

 

一方、2000年には世界保健機関(WHO)が「健康寿命」を提唱しました。健康寿命は「健康上の問題に制限されることなく、心身ともに自立して日常生活を送れる期間」と定義されています。

 

こちらは3年に1回の調査ですが、2016年の日本の健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳でした。統計を取り始めた2001年の男性69.40歳、女性72.65歳から着実に上昇しています。

 

人生は延長され、その大部分を健康な状態で過ごせるようになりました。問題は「何をして、どのように過ごすか」ということです。自由に使える時間があって、健康も維持できているなら、目的意識や夢をもってアクティブに、好奇心旺盛に第二の人生を謳歌していいのではないでしょうか。

 

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鈴木 高佳

幻冬舎MC

鈴木眼科グループ代表の鈴木高佳氏が老眼・近視・乱視・白内障の悩みを老眼鏡なしで解決する多焦点眼内レンズについて解説します。

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