バイデン米大統領が巨額の景気対策に署名 注目ポイントは?

バイデン米大統領は、現地3月11日(木)に約1.9兆ドルの追加景気対策案に署名を行い、「American Rescue Plan Act 2021(米国救済計画法)」が成立した。失業給付金、新型コロナワクチンの供給予算や州・地方自治体に対する支援のほか、中小企業や航空/鉄道会社向けの支援などが盛り込まれる中、最も注目されるのが1人当たり1,400ドルの直接給付金であろう。

\ PR /【5/22開催(土)】カメハメハ倶楽部の人気セミナー

償却メリットを狙った京都の町家投資の魅力

タックスマネジメントのための「海外プチ移住」の進め方

今回の直接給付金は過去最大

米政府はコロナ禍における個人向けの支援金として、これまで2度にわたって直接給付金を付与してきた。1回目は2020年3月に成立したコロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法で支給された大人1人当たり最大$1,200、17歳未満の子供1人当たり$500の直接給付金だった。2回目は2020年12月に成立した追加景気対策で支給されたもので、一律$600だった。そして今回3回目となる直接給付金は一律で最大$1,400になり、これまでの直接給付金の中では過去最大の金額になる(図表1)。

 

期間:2020年3月~2021年3月 ※直接給付金には所得制限あり (出所)各種資料を基にピクテ投信投資顧問作成
[図表1]新型コロナショック以降の米国直接給付金 期間:2020年3月~2021年3月
※直接給付金には所得制限あり
(出所)各種資料を基にピクテ投信投資顧問作成

 

第3弾となる直接給付金は、今月中にも付与される予定となっており、個人の名目可処分所得が再び大きく増加することが予想される。2020年3月に法案が成立した直接給付金(第1弾)が支給されたタイミングは翌月だったことから、2020年4月の名目可処分所得(季調済、年換算)は前月比15%も増加した。そして2020年12月に法案が成立した直接給付金(第2弾)の支給も翌月だったため、2021年1月の名目可処分所得は同11%増加した(図表2)。

 

月次、各目、季調済、単位:兆ドル、期間:2019年1月~2021年1月 (出所)ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成
[図表2]米個人可処分所得と個人支出の推移(年換算) 月次、各目、季調済、単位:兆ドル、期間:2019年1月~2021年1月
(出所)ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成

直接給付金1,400ドルの一部は消費や投資に向かう可能性

個人の名目可処分所得は直接給付金等で増加した一方、名目個人支出は抑制された状態であるため、足元の貯蓄率はコロナ前の水準と比較して大幅に上昇している。2021年1月時点で20.5%もある貯蓄率は、今回成立した「米国救済計画法」の直接給付金第3弾によって、再び高水準になることが予想される(図表3)。

 

月次、季調済、期間:2019年1月~2021年1月 (出所)ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成
[図表3]米貯蓄率の推移 月次、季調済、期間:2019年1月~2021年1月
(出所)ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成

 

注目ポイントは、この貯まった貯蓄の行き着く先だ。これまではロックダウン等による影響や先行き不透明感等から消費が手控えられてきたが、新型コロナワクチンの接種ペースが加速し、経済の正常化が現実味を帯びる局面になれば、消費抑制の「タガが外れる」かたちで一気に景気が上振れる可能性がある。

 

また、ここもと相場を賑わせている米株式取引アプリのロビンフッド・マーケッツを利用する個人投資家「ロビンフッダー」が、今回の直接給付金で再び投資原資を獲得する点も見逃せない。消費や投資の「マグマ」は噴火間近なのかもしれない。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『バイデン米大統領が巨額の景気対策に署名 注目ポイントは?』を参照)。

 

(2021年3月15日)

 

田中 純平

ピクテ投信投資顧問株式会社 

運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト

 

 

 

【関連情報&イベント・セミナー】

※<特設ページ>富裕層のためのヘッジファンド活用

 

認知症による金融資産凍結リスクを回避する信託とは?

 

【5/18開催】国内不動産投資」×「海外不動産投資」どっちがいいの?

 

【5/18開催】最高の手残りにもっていく!保険活用の「出口戦略」基本講座

 

【5/18開催】太陽光発電」の2021年売買動向&案件説明会

 

【5/19開催】アライアンス・バーンスタインによる「米国株式市場の投資」

 

【5/19開催】中小企業経営者のための正しい「事業承継」の進め方

 

【5/22開催】幻冬舎会場限定!最新の法人向け保険活用事例

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系運用会社に入社後、14年間一貫して外国株式の運用・調査に携わる。主に先進国株式を対象としたアクティブ・ファンドの運用を担当し、北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードを受賞。アメリカ現地法人駐在時は中南米株式ファンドを担当し、新興国株式にも精通。ピクテ入社後は、ストラテジストとしてセミナーやメディアなどを通じて投資家への情報提供に努める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケットレポート・Deep Insight

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧