日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「公立教員の給与」に焦点をあてていきます。

公立校教師の平均的な給与は、高いか低いか?

「先生、先生」と尊敬の念を集めていたのは昔の話。すべての現場がそうであるとはいいませんが、劣悪といえる労働環境に、教師志願者は減る一方、という指摘もあります。(関連記事:『現役小学校教師が語る「教職」というブラック労働の実態』)。

 

さらにコロナ禍では、感染予防から、机や椅子の一つ一つを消毒するなどという事務仕事を重なり、感染の動向によって予定していた行事が二転三転……非常に混乱をしているといいます。

 

そんな教師、苦労の対価だけ給与をもらえているのなら、採用倍率の低下に悩まないはずですが、実際はどうなのでしょうか。総務省『給与・定員等の調査結果等』によると、「地方公共団体」の月額平均給与(平均給料+諸手当)は40万860円です。都道府県と政令指定都市合わせた67の自治体のなかで、最も教員公務員の月額平均給与が高いのが「東京都」で44万1705円。続くのが「鹿児島県」で43万8745円。「名古屋市」43万8053円、「福島県」43万4397円、「神戸市」43万1876円と続きます(図表1)

 

出所:総務省『給与・定員等の調査結果等』より作成
[図表1]都道府県(政令指定都市含む)「教師給与」ランキング上位10 出所:総務省『給与・定員等の調査結果等』より作成

 

一方で月額平均給与が最も低いのが「北九州市」で39万460円。続いて「石川県」が39万1159円。「札幌市」39万5659円、「富山県」39万7967円、「奈良県」39万8473円と続きます。

 

1位と67位で5万1245円。物価等、地域によって事情は異なるので、一概に多い、少ないとはいえないかもしれませんが、40代前半で月給40万強というのが公立校教師の平均的な姿です。

 

未来の日本を支える子どもたちの教育に奔走する教師の給与。この水準が適正かどうかは、減り続ける採用倍率が物語っているのかもしれません。

 

 

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