日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「日常のストレス」に焦点をあてていきます。

ストレスや悩みの原因…第1位は?

長引くコロナ禍。行動が制限され、なかなか気分転換できず、ストレスを溜め込んでいる……そんな人も多いのではないでしょうか。

 

もう、いやだ(※画像はイメージです/PIXTA)
もう、いやだ(※画像はイメージです/PIXTA)

 

厚生労働省が3年ごと大規模な調査を行っている『国民生活基礎調査』によると、12歳以上について、日常生活での悩みやストレスの有無を尋ねたところ、「ある」が47.9%、「ない」が50.6%。約半数の人がストレスを抱えている、という結果になりました。また性別に見てみると、男性43.0%、女性52.4%と、女性のほうが10ポイント近く、ストレスを抱えています。

 

なぜそんなにストレスとを溜め込んでいるのか、その原因を尋ねたところ、最も多かったのが「自分の仕事」で35.6%。「収入・家計・借金等」が26.2%、「自分の病気や介護」が21.0%、「家族の病気や介護」が15.5%、「家族以外との人間関係」が14.7%と続きます(図表1)

 

出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成
[図表1]ストレス・悩みの原因(男女総合) 出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成

 

性別で見ていくと、男性の場合、ストレス原因のトップは「自分の仕事」で19.2%。「収入・家計・借金等」が11.5%、「自分の病気や介護」が8.5%、「家族以外との人間関係」5.6%、「家族の病気や介護」5.4%と続きます(図表2)

 

出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成
[図表2]ストレス・悩みの原因(男性) 出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成

 

一方で女性の場合、ストレス原因のトップは男性と同じで「自分の仕事」で15.0%。「収入・家計・借金等」が13.5%、「自分の病気や介護」が11.5%、「家族の病気や介護」が9.3%、「家族との人間関係」が9.0%と続きます(図表3)

 

出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成
[図表3]ストレス・悩みの原因(女性) 出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成

 

さらに病院通院者のうち、「うつ病やその他こころの病気」で通院する人の割合を見ていくと、全国平均3.3%。人口10万人あたり0.76。地域別に見ていくと、最も人口10万人あたり「うつ病やその他こころの病気」が少ないのが「北海道」で0.61。「福岡県」「千葉県」「新潟県」「島根県」と続きます。一方で最も多いのが「茨城県」で人口10万人あたり1.06。「岐阜県」「鹿児島県」「福井県」「岡山県」と続きます(図表4)

 

出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成
[図表4]都道府県別「うつ病やその他心の病気で通院する人」対人口比上位10(少ない順) 出所:厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)より作成

 

通院のしやすさ等、あるので一概に言えませんが、「うつ病やその他こころの病気」には地域差がありそうです。

 

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