新型コロナウイルスで大学中退者が増加
文部科学省は『新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査』で、全国の国公私立大学、高等専門学校を対象に、2020年12月時点における経済的に困難な学生に対する支援状況や中途退学者・休学者の状況等について調査を行いました。
それによると、98.5%の大学等で後期分の授業料の納付猶予を実施。それに対し、全学生の7.04%が納付猶予を申請しています。これは前年比1.84ポイントの上昇となります。また74.0%の大学等で、経済的な困難な学生を対象に、授業料等の減免を実施しています。
このような支援を行っていても、中退者や休学者は絶えません。2020年4月から12月で、中退者は2万8647人で、「経済的困窮」を理由にあげているのは、そのうち19.3%。さらに新型コロナウイルス感染症の影響と判明しているのが1367人で、学部1年生に限ると470人になります。
また休学者は6万5670人で、「経済的困窮」を理由にあげているのが、そのうちの16.0%。さらに新型コロナウイルス感染症の影響と判明しているのが4434人で、学部1年生に限ると859人になります。
このような状況に対し、再入学金を減免、または免除したり、再入学を希望する場合、在学中の成績等による書類審査と面接により選考したり、退学前に取得していた単位は再入学後も有効としたりなど、多くの大学で学内規定に基づき再入学を認める措置がとられています。
また日本学学生支援機構では、家計が急変した際、給付奨学金を申し込むことができます。この奨学金は返済不要で、家計急変の事由*が3ヵ月以内であれば、随時申し込むことができます。
*「生計維持者の一方(または両方)が失職(非自発的失業の場合に限る)」「生計維持者の一方(または両方)が死亡」「生計維持者の一方(または両方)が事故または病気により、半年以上、就労が困難」など
さらに「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金*」はアルバイトの学生も対象。事業主を通してだけでなく、従業員本人も申請を行うことができます。申請にあたり、労使で共同して作成した「支給要件確認書」が必要ですが、事業主の協力が得られない場合、その旨を支給要件確認書に記載のうえ申請できるのです。
*令和2年4月1日から12月31日までの間に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業主が、休業させた中小事業主に雇用される労働者に対し、その休業に対する賃金(休業手当)を受けることができない方に対して、休業前賃金の8割(日額上限1万1000円)を休業実績に応じて支給する制度