賃貸住宅経営で常に意識しておきたい「出口作戦」と賃貸住宅経営のために金融機関で借入れをする際の留意点について、株式会社ブレーントラスト代表の秋山哲男氏が解説します。

日本の金融機関は「担保主義」

賃貸住宅を建てる際、多くの人が金融機関で借り入れをすると思いますが、きちんと返済プランが回るかどうかも慎重な姿勢で臨む必要があります。

 

日本の銀行は基本的に“担保主義”です。家、土地というしっかりとした担保さえあれば億単位の資金も貸してくれますが、貸したお金でマンション経営がうまくいかなくなったからといって、助けてはくれません。返済に関しては延納や分割払いの余地はあったとしても、いざとなれば担保物件を処分して、早々に債務回収に走るのが実情です。

「債務控除で相続税対策になる」のは事実だが…

かつて人気を博したドラマ『半沢直樹』で、「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を差し出す」と、主人公の半沢に向かって町工場の社長が吐くシーンがありました。

 

これは、銀行は晴れの日、つまり経営が好調の時は、どんどん資金を貸してくれるが、雨の日、つまり経営苦境の時は、傘(融資)をさっさと引き上げるという意味です。ドラマの中の町工場の社長でなくとも、賃貸経営のオーナーだってこうした仕打ちを受けかねないことを覚悟すべきです。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

「借り入れをした方が、債務控除で相続税対策になる」

 

これは紛れもない事実ですが、借金は借金です。そして、その効果を享受できるのは最初のうちだけ、という悲しい事実はすでに触れた通りです。低金利で「今が好機」と言われようとも、「借りられるだけ借りる」ではなく、億単位の借金を背負う重みをしっかりと認識すべきです。

 

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秋山 哲男

幻冬舎メディアコンサルティング

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