日本人の多くが悩まされている老眼。本人が持っている目の特徴と組み合わさると適切な対処をしなければ、通常以上に老眼で苦しむことになります。そこで、鈴木眼科の鈴木高佳氏が、「近視・遠視・乱視・正視」の4パターンの老眼対処法を紹介します。

パターン2 老眼+近視の人の見え方と進行過程

近視の人は一般的に、老眼になったと気づくのが遅くなりがちです。

 

近視でずっとメガネをかけてきた人の場合、老眼になると「メガネをはずせば、以前よりも近くが見やすくなった」というケースが多いものです。コンタクトレンズなら「裸眼でいると、近くが見やすくなった」と感じます。

 

これこそ実は老眼の症状なのですが、しばらくは老眼と気づかないため、「近視だから老眼になりにくかった」と誤解してしまうわけです。

 

そのせいで「近視の目は老眼になりにくい」という話がまことしやかに流れるのです。昔から巷間に伝わりやすい誤った情報です。

 

眼科医としては困ったことだと思いますが、それを信じたい、できればそうであってほしいと考える気持ちも分かるのです。「老眼」という名称には字面だけでなく、いかにも「老化現象だ」といっているような響きがあるのではないでしょうか。そのため最近では、老眼鏡のことを「リーディンググラス」「手元専用メガネ」とも呼ぶようにもなりました。

 

近くが裸眼で見やすくなった人も、老眼が進むにつれ、メガネをしてもしなくても近くが見えにくくなります。進行の程度により、「よく見える距離」と「よく見えてほしい距離」の間にずれが生じてくるからです。

 

例えば、裸眼で30cmの距離がよく見えれば読書やスマートフォンを使うとき便利ですが、10cmでは見るものをかなり近づけなければなりません。近視の人が老眼初期に「裸眼で近くが見えるようになった」と言うのは、「たまたま見えやすい距離と見たいものの位置が、ぴったり一致した時期」と考えてください。

 

近視でメガネを使っている人の老眼が進行したときは、普段は今までどおり遠方がよく見えるメガネを使います。そして弱い近視用のレンズを使ったメガネも作り、老眼用として近くを見るために使用する必要が生じてきます。

 

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鈴木 高佳

幻冬舎MC

鈴木眼科グループ代表の鈴木高佳氏が老眼・近視・乱視・白内障の悩みを老眼鏡なしで解決する多焦点眼内レンズについて解説します。

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