2025年には、65歳以上の人口が国民全体の30%になることが見込まれています。それに加えて、日本社会では、後期高齢者の人口増加が最大の課題になっています。見送る家族が高齢者と共に最高の最期を迎えるためにはどうすればよいのでしょうか。本記事では、なぜ若いうちから終活を始めるべきなのか、医療法人社団弘惠会杉浦医院理事長の杉浦敏之氏が解説します。

まずは「自分の死」をイメージすることが重要

すでに1日あたり国民の3000人以上が亡くなる多死社会に入りつつある今、今後の生き方・死に方の話し合いは、日本社会の待ったなしの課題です。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

やはりACP(人生会議)は、死が予想される段階になっていきなり、というよりも、時間的にも精神的にも余裕があるとき、落ち着いてものを考えられるときから話し合いをしておくことをおすすめしたいと思います。

 

私は、高齢の親をもつ40~60代くらいの世代なら、まず「自分の死」をイメージしてみるといいと思っています。

 

20~30代の若者にとっては自分の死はあまりにも遠いことで、現実感がないと思いますが、40~50代になると身の回りに命に関わる病気を経験する人も少しずつ増え、親世代の老いや死にも向き合わざるを得なくなります。自分の心身の状態が年とともにどう変わっていくか、病気が進んで回復の見込みが少なくなったときにどこでどんなふうに残る人生を過ごしたいか。そうした自分の将来の姿を一度、じっくりと想像してみてください。

 

仕事や家事で多忙な現役世代はなかなか落ち着いて考える時間をとりにくいかもしれませんが、「自分の死」を考えてみることは、これから人生の最終段階を迎える親世代を見送るときの思考の訓練にもなります。

 

「死」を含むこれからの人生についてより具体的に考えるのであれば、「エンディングノート」を活用するのもいいでしょう。

 

エンディングノートはこれまでの人生を振り返り、身近な人に知っておいてほしいこと、死への準備で必要なことなどをまとめて記録しておけるツールです。市販のものもたくさんありますし、最近は自治体の地域包括支援センターや地域の医師会などが作成し、市民に無料で配布しているケースもあります。

 

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続・死ねない老人

続・死ねない老人

杉浦 敏之

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな人でも懸命に生きたその先に、必ず死を迎える。 大切な人生の終わりを“つらい最期"にしないために何ができるのか――。 「死」を取り巻く日本の今を取り上げつつ、 自分の最期をどのように考え、誰にどう意思表示…

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