穏やかではない…超高齢者の国・日本でみられる「死」の実情

2025年には、65歳以上の人口が国民全体の30%になることが見込まれています。それに加えて、日本社会では、後期高齢者の人口増加が最大の課題になっています。見送る家族が高齢者と共に最高の最期を迎えるためには、どのようなことをおこなうべきでしょうか。本記事では、高齢者が「穏やかな死」を選ぶことが難しい、日本の医療の現状について見ていきましょう。

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日本では、「穏やかに死ぬ」のが難しい…

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

現代の日本で人が一人亡くなることは、本当に大変なことだなと感じた人も多いのではないでしょうか。もちろん一人の人の人生が終わり、家族や親しい人に永遠の別れを告げるというのは、大変な出来事に違いありません。

 

しかし私からみると、終末期医療・介護についての国民意識や社会のしくみが、現実に追いついていないために生じる混乱も少なくない気がします。

 

日本は世界に類をみないほど高齢化が進んだ国であり、すでに”多死社会”に突入しようとしています。

 

2020年の敬老の日には、65歳以上の高齢者が3617万人と過去最多となり、総人口に占める高齢者の比率は28.7%に上ることが報道されていました。高齢化率は調査対象の201の国・地域のなかで1位であり、2位のイタリア(23.3%)や3位のポルトガル(22.8%)を引き離しています。70歳以上の割合でも22.2%で、女性では25.1%と国民の4人に1人の割合になっています。

 

資料:2000年、2005年、2010年及び2015年は「国勢調査」、その他の年は「人口推計」 注)2017年及び2018年は9月15日現在、その他の年は10月1日現在 (総務省統計局統計データ「平成30年統計からみた我が国の高齢者」より)
[図表]総人口及び高齢者人口の推移(2000年~2018年) 資料:2000年、2005年、2010年及び2015年は「国勢調査」、その他の年は「人口推計」
注)2017年及び2018年は9月15日現在、その他の年は10月1日現在
(総務省統計局統計データ「平成30年統計からみた我が国の高齢者」より)

 

こうした超高齢者の国・日本で、「穏やかな最期」や在宅看取りを希望する人までも「何かあれば119番」あるいは「警察へ通報」という対応を続けていると、この国の社会システムが崩壊してしまいかねません。

 

・高齢者本人は、意に反して救急車で運ばれ、苦痛を伴う蘇生をされる。
・救急隊員や救急医は、疑問や葛藤を抱えながら搬送や治療をこなす。
・治療の努力もむなしく高齢者が亡くなれば、家族には「これでよかったのか」という無念さや後悔が残る。
・終末期でも一人で在宅死をすると検視などにより、家族は二重の苦しみを味わう。

 

これが、現代日本でみられる「死」の実情です。関わる人たちの誰も幸せにならないという悲しい状況が、日々各地で繰り返されているのです。

 

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医療法人社団弘惠会杉浦医院 理事長

1988年、千葉大学医学部卒業。
千葉県救急医療センターに勤務後、千葉大学医局研修を受け、千葉大学大学院で医学博士号取得。
大宮赤十字病院に勤務し、2003年より医療法人社団弘惠会杉浦医院院長、2004年より同医院理事長。
日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント取得。埼玉県立大学にて講師を務めている。
大学卒業以来25年にわたり高齢者医療に携わっており、地域医療を充実させるために末期癌患者への在宅医療も行う。
著書に『死ねない老人』(幻冬舎メディアコンサルティング・2017年)がある

著者紹介

連載後悔せず見送るために実践すべき「家族の終活」

続・死ねない老人

続・死ねない老人

杉浦 敏之

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな人でも懸命に生きたその先に、必ず死を迎える。 大切な人生の終わりを“つらい最期"にしないために何ができるのか――。 「死」を取り巻く日本の今を取り上げつつ、 自分の最期をどのように考え、誰にどう意思表示…

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