子がいない、事実婚…相続トラブルに陥りやすい「夫婦」の形

夫婦には様々な形があります。「不貞」など法に抵触しないかぎり、誰に何を言われるものではありません。しかし、「相続」について考えたとき、「子がいない」「事実婚」というケースではトラブルが生じやすいので注意が必要です。※本連載は、司法書士・行政書士の坂本将来氏、税理士の古谷佑一氏による共著『奥様のための相続のはなし』(日本法令)より一部を抜粋・再編集したものです。

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「子のいない夫婦」の相続は揉めがち

【ケース①夫婦間に子供がいない】

夫婦の間に子供がいない(両親もすでに他界している)と、配偶者だけではなく兄弟姉妹も相続人となるため、非常にトラブルになるケースが多いです。この場合、残された配偶者は、亡くなったご主人の兄弟姉妹全員から実印押印・印鑑証明書をもらわないと、土地の名義変更はおろか、預金の引出しすらできません(預貯金仮払い制度の利用を除く)。

 

兄弟姉妹が亡くなっている場合は、さらにその兄弟姉妹の子(甥・姪)全員から、実印押印と印鑑証明書をもらう必要があります。これは大変な労力を伴います。

 

なにより、今まで夫婦二人三脚で築き上げた財産を、夫の兄弟姉妹に分けないといけなくなるのは、不本意というものです。

 

一方、ご主人側の親族にとって、先代から受け継いできた土地・自社株式等の財産が、妻の親族にすべて相続されてしまうのは不本意、という場合もあります。それならそれで、ご主人の親族が承継すべき財産はその意向通りに承継できるよう、遺言書を作成すべきです。

 

このように、遺言書を作成しておくことによって多くの問題が解消されます。

 

また、夫婦間に子がない人は、その「兄弟姉妹には遺留分がない」という点からも、遺言書が重要です。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

遺言書アリでも「内縁の配偶者」が相続できない事例

【ケース②:内縁関係(事実婚)である】

現在の日本では多様な夫婦の形があり、内縁関係であっても判例上多くの権利が認められてきていますが、相続においては、あくまで法律婚が重視されており、内縁関係の者には相続権を認めていません(※1)

 

筆者が経験した案件で、内縁の夫が死亡し、その内縁の妻が「私のすべての財産を乙野花子ゆずる」とだけ書かれた自筆証書遺言を持ってきた、ということがありました【図表】。

 

【図表】有効だが使えない自筆証書遺言

 

結論からいうと、この遺言は「有効」ですが「使えない」遺言書となり、銀行口座の引出しや土地建物の名義変更(登記)は、一切手続きできませんでした。

 

この遺言書には「ゆずる」という不適切な書き方(※2)を含めて、さまざまな不備がありましたが、一応法律上の要件を満たしているため、「有効」な遺言書でした。しかし、その遺言書を書いた人物と、受け取る人物の「特定」ができなかったのです。

 

たとえば銀行の立場からすれば、「この遺言書を書いた甲野太郎と、口座名義人・甲野太郎が同一人物であるかわからない」し、「遺言書に書いてある乙野花子が、今まさに窓口で1億円を引き出そうとしている乙野花子と同一人物かわからない」ということです。不動産の名義変更(登記)でも、同じ理由で手続きできません。同姓同名の人物である可能性があるわけです。

 

このケースでは、ご主人と奥様の本籍・住所・氏名・生年月日まで書いていれば、問題なく手続きできたと考えられます(なお、仮に奥様が内縁関係ではなく、結婚していて戸籍上「妻」と明示されていれば、常識的に妻に相続させる意図であろうという解釈で、手続きできた可能性は高いと考えられます)。

 

※1 例外として、アパート等の賃借権については相続できます。

 

※2 相続人でない人に遺産を遺したい場合は、「遺贈する」と書くのが適切。また遺言執行者も指定しておくべきです。

 

 

坂本 将来

司法書士、行政書士

 

古谷 佑一

税理士

 

 

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みなと司法書士・行政書士事務所 代表 

司法書士、行政書士。一般社団法人エンディングパートナー理事長。セミナーやラジオ等を通じ、生前における相続対策をメインとした相続や終活に関する情報提供を行っている。

著者紹介

古谷佑一税理士事務所 代表 

税理士。一般社団法人エンディングパートナー理事。坂本司法書士とともに、相続税をメインとした情報提供を行っている。

著者紹介

連載「法」と「税」をサクッと解説~奥様のための相続のはなし

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坂本 将来

古谷 佑一

日本法令

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