「親が認知症で要介護」という境遇の人は今後、確実に増加していくでしょう。そして、介護には大変、悲惨、重労働といった側面があることも事実です。しかし、介護は決して辛いだけのものではなく、自分の捉え方次第で面白くもできるという。連載「見つめてひらめく介護のかたち『楽しむ介護』実践日誌」の著者の黒川玲子さんに在宅で介護を続けている認知症の父「じーじ」の近況報告をしてもらった。連載特別編をお届けします。

緊急事態宣伝で認知症の父宛の電話が増加中

じーじ、コンサルタントに変身?

 

緊急事態宣言が出されてから、わが家にはじーじ宛の電話がよくかかってくるようになった。外出自粛要請が出され、一人で気ままに外出できる高齢者は時間を持て余しているからにちがいないと勝手に想像している。

 

今日も電話がかかってきた。かれこれ1時間以上しゃべっているが、その姿勢が凄すぎる! わが家の電話は、もはや誰も使っていないピアノの上にあるのだが、なんと、片足をピアノの椅子にのっけて石原裕次郎ばりのポーズで話している。

 

片足をピアノの椅子にのっけて石原裕次郎ばりのポーズで電話中のじーじ。写真提供=黒川玲子
片足をピアノの椅子にのっけて石原裕次郎ばりのポーズで電話中のじーじ。写真提供=黒川玲子

92歳にもなって石原裕次郎のポーズを持続できるなんて、デイサービスでマシーントレーニングしている効果だなと感心して見ていた。どうやら、何かの相談に乗っているようだが、話しの内容がこれまた凄すぎる。

 

「土地活用ですか、いい話がありますよ」

 

「あなたの奥さんは看護師だから、奥さんを館長にして養老ホーム(特別養護老人ホームのことらしい)を作りなさい。15年は安泰に生活できますよ。そうそう、娘が養老ホームのことなら、何でも知っていますから、なんだったら今度連絡させますよ」

 

……やめてくれ、と言いたくなったが、あまりにも面白すぎるので、聞き耳を立てることにした。

 

「私も建てようと思っているんですよ。これからは福祉の時代ですからねえ~~」

「風力発電もいいですよ。200坪の土地に風力発電の鉄塔を建てれば、これもしばらく安泰でしょうねえ」

 

「まあ、何かあったらまた相談してくださいよ」だと! 思わず「コンサルタントか!」と突っ込みたくなった。

 

締めの言葉はいつもの、「NHKから本が出たら送りますから」だけかと思ったら、「こんど、NHKが取材にくるから、〇×さんも一緒に出てくださいよ」だって。

 

しばらくしてから、「誰と電話してたの?」と聞いたら、「電話なんかしとらんぞ」と、電話したことを忘れている様子。

 

その後、「なんだか、疲れたなあ~」を連発するじーじ。そりゃそうだ、石原裕次郎ばりのポーズで1時間以上も話していたら疲れるに決まっているのだ!

 

片足上げの自主的リハビリ?と、コンサル業務?お疲れ様でした!

 

 

黒川 玲子
医療福祉接遇インストラクター
東京都福祉サービス評価推進機構評価者

 

 

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