趣味にリンクするような優待を選ぶのも手
本連載では、よい銘柄を見つけ出して投資することを本筋としていますが、いくつも気になる銘柄があって選べない状況もあるかもしれません。そうした場合は、「使える優待」に決めるのも一つの手といえるでしょう。
証券会社のサイトにはたいていの場合、株主優待検索ページが設けられています。この中で「おもしろ優待」などの条件キーワードで検索するのもよいでしょう。こうした優待の中には、自社商品や金券類のプレゼントの枠から外れたものがあります。
自社ファクトリーの工場見学への招待、テレビ番組収録に抽選で招待など、その会社ならではの特典というべき優待です。ただし、株主優待の売買サイトでチケットが売られている場合もありますから、チェックして対費用効果も検討してみてください。
こうした特殊な優待は、付加価値が重要ですから、趣味にリンクするようなものを選ぶとよいのではないでしょうか。また、抽選になる場合もありますので、チケットセンターやサイトで買えるのなら、投資するよりも確実な方を選ぶべきでしょう。
特定の条件で銘柄を選びたい場合は、証券会社のサイトの検索機能が非常に便利です。検索条件もさまざまで、「権利月」「優待利回り」「優待に必要な投資金額(株価×単位株)」など優待に関する条件で検索することもできますし、「大型株」「自己資本比率」「東証一部」「高配当利回り」などの条件での検索も可能です。
また、SBI証券では、株主優待の専用の売買サイトにもリンクしています。こうしたサイトに登録しておいて、売買できる優待の種類を把握しておくのもよいでしょう。優待狙いで買ったわけではない銘柄で、つぶしが効かない優待がついてきた場合などは、こうしたサイトを活用するのもよいと思います。買い取り価格が表示されており、チケットショップで買い取ってもらえない優待も買い取り対象になっています。
優待のある銘柄を買う時は、買い取りサイトなどでどういう値がつくのかを見て、「使わずに売ったときの利回り」を考えてみることも大切です。「高利回り」に見えても、実際にその優待を自分が使うかどうかは別。実際の利回りはもっとシビアかもしれません。
「おもしろ優待」検索で見つけた使える優待とは?
「おもしろ優待」で検索して探せる、「地味だけど使える優待」の一例をご紹介しましょう。「フルスピード」(2159)は、ネット広告代理店です。フリービットの傘下にある同社の株主優待は、フリービットモバイルの新規契約時に初期費用が無料になるというものです。
そのほか端末の専用保護ケースのプレゼントや、メールサービスの1アカウントを最大1年間無料で使用可能、LTEの1アカウントを最大1年間優待価格で使用可能などのおまけが付いてくるので、結果的に6万円ほどお得になります。自分が使う可能性がある、または家族などで必要な人がいる場合などは、非常に使える優待といえそうです。
また、優待に夢があり、会社そのものの成長性も期待できそうな「マサル」(1795)のようなケースもあります。同社の優待では、1000株保有するとサマージャンボ宝くじ10枚(3月のみ)が、3000株の保有で年末ジャンボ宝くじ10枚(9月のみ)が贈られます。
同社は、マンションの外装工事のトップ企業ですが、今後、マンションの老朽化が進み、耐震工事などのニーズが高まると、成長性もありそうです。
[図表]まだある!地味だけど使える優待の例(抜粋)