今回は、割安株で構成するポートフォリオの作成法と、割安株を機械的に判別するための条件について見ていきます。※本連載は、「相場の福の神」として知られる藤本誠之氏の著書、『上がる優待株を買いなさい』(自由国民社)の中から一部を抜粋し、さらに一歩踏み込んだ「上がる優待株」の見つけ方を伝授します。

優待がもらえて投資資金が安い銘柄を組み合わせる

成長株がマグロの一本釣りだとすれば、割安株はカレイやタラを底引き網で漁るようなものです。ですから、成長株は、割高であっても狙いを定めて資金を集中して投資すべきですが、割安株の場合は優待がもらえて投資金額も安い銘柄を多く組み合わせて、ポートフォリオを作るのがよいでしょう。

 

 

というのも、割安になるには理由があるからです。個別にその理由を分析すると、手を出しにくくなる面もあります。そこで株価が上がる差益よりも、株主優待の利回りに注目して、いろいろな銘柄を買う方がよいでしょう。

業種を分散して「業種のリスク」を低減

割安な理由は、「銘柄が小さく流動性が低い」「悪い材料が出て、売られ過ぎてしまった」など、様々です。もちろん割安が是正されて本来の価値に戻ることもありますが、その逆に、暴落してしまうリスクもあるのです。また、割安が是正されるまでには時間もかかります。

 

そこで、指標面から見て平均以下のものを割安だと判断し、自分が注目する考え方で銘柄を検索し、その中から業種を分散して業種のリスクを低くした上で、配当や優待などでまず利益をとってしまうのがよいでしょう。

 

たとえば、次のような条件を「割安」として設定し、検索してみましょう。

 

●時価総額1000億円以上

●予想株価収益率(PER)が東証1部平均の17.79倍以下

●実績株価純資産倍率(PBR)が東証1部平均の1.49倍以下

(2015年3月末時点)

 

すると、下記の表のような検索結果がでました(2015年3月末時点)。

 

[図表1]割安な銘柄を条件によって検索したスクリーニング結果

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出所:SBI証券ホームページ

 

この結果から、業種が重複しないように、高配当利回り順に選定したのが、下の図表2、「20万円以下で買える割安・高配当利回りトップ5」です。

 

[図表2] 20万円以下で買える割安・高配当利回りトップ5

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※積水ハウス(1928)のみ1月決算、それ以外は3月決算
出所:SBI証券ホームページ

 

 

ちなみに、このポートフォリオの平均予想配当利回りは3・38%、推奨購買株数を購入してもNISAの範囲内に収まります(2015年3月末時点)。

本連載は、2015年6月17日刊行の書籍『上がる優待株を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

上がる優待株を買いなさい

上がる優待株を買いなさい

藤本 誠之

自由国民社

「相場の福の神」が教える利益を出す優待投資の方法! 株主優待制度と企業のホンネを知り尽くした著者が、値上がり益とオトクな優待を両取りする方法を伝授。株主優待の基本から株主の目を引く優待例、情報収集法、上がる優待…

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