業界全体が大きく値下がりしたときはどうするか?
前回の続きです。検索の結果をさらに絞り込みたいとき、割安な理由が明らかで、大きく売られていたものを選ぶという方法があります。これは、市場や業界全体で大きく売られているときなどに有効な方法です。
ある業界全体に及ぶ悪材料が出た時、業界全体が大きく売られる場合があります。こうした場合の割安は、最初はニュースのショックで大きく値下がりしても、個々の銘柄の状況に応じて、少しずつ株価を戻していきます。
そうしたときは優待のあるもの、高配当のものなどから候補の株のあたりをつけ、チャートを見ましょう。選ぶ上では、安値からちょっと上がってきた銘柄に注目です。是正される動きが見え始めていると考えられるからです。
業績に関係なく「株価が落ちる局面」がある
また、企業の業績に関係なく、株価が落ちる局面があります。それは、優待の権利落ち後です。
株主優待の権利確定する銘柄が少ない月は、優待狙いの個人投資家が集中しやすくなります。そうした月に、優待狙いの投資家に人気のある銘柄は、権利付き最終日後、大きく値下がりすることが多々あります。権利確定後に、売られてしまうからです。
逆に考えると、人気の銘柄を安く買うなら、この「権利付き最終日後」タイミングを狙うのが一番お得です。そして、次の権利確定日が近づくと、株価はまた上がってくることが多いのです。
もし、すぐに値を戻してくるならば、適度に利益が出たところで売って利食うのもよいでしょう。チャートを見て、次の優待を待てばもっと上がると判断するなら、権利確定直前の高値まで待ってもよいでしょう。確定後に大幅に値を下げるようなら、優待はとらずに利食うほうがおすすめです。
優待と配当に加え、キャピタルゲインもほしいという場合は、優待の権利確定日(権利付き最終日)前後で大きく値動きしない銘柄を選びます。3月末、9月末など、決算が多い月に割安株を探すなら、優待も配当ももらえる銘柄を選ぶのがよいでしょう。狙うのは、権利確定によって値動きしにくい銘柄です。
株主優待や配当の権利確定日は、決算月の月末に設定されていることが多いものです。日本企業の決算が多い3月末や9月末は、優待の権利確定日も集中するのです。そのため、優待狙いの個人投資家も、限られた銘柄に集中しにくくなります。したがって、優待狙いによる株価の変動も抑えられるのです。
割安な銘柄を条件から選び、チャートをチェックします。そして、過去に権利確定日前に、大きく株価が上がっていない銘柄を選んで買いましょう。
株価が本来の価値に是正されるまでには時間がかかりますから、優待と配当でまず利益をとりながら、株価が上がってくるのを気長に待つとよいでしょう。