日経新聞や四季報は基本、生情報に触れることも必要
株式投資を行う際には、どのような情報を参照すればよいのでしょうか。今の時代、業界紙や専門誌のほかにネットや経済専門のテレビ番組の情報もたくさん出ていて、目移りしてしまいそうです。
しかし、株式投資の情報収集で最も大切なことはただ一つです。それは「皆が見ている情報を見ること」。その理由は、株価は、「皆が買うと上がり、皆が売ると下がる」からです。これは、中長期投資の場合も変わらない原則です。
日本で一番、株式投資をする人たちが見ている情報は、「日本経済新聞」です。また、銘柄そのものをチェックするには、東洋経済新報社の『会社四季報』を参照することは基本中の基本です。『会社四季報』は、書籍とCD−ROM版の両方が出ていますが、どちらを選んでも大丈夫です。一覧性がよいのは書籍、検索に便利なのはCD−ROM版と、自分の使い方に合わせて選ぶとよいと思います。
『会社四季報』は、会社の業績発表よりも、投資家への影響が大きいといわれています。実際に、『会社四季報』が発売されると同時に株価が動く例もあります。
上場企業のなかから優良銘柄を選ぶには、生の情報に触れることも必要です。日経新聞などに広告掲載されている、日経新聞社や東証、証券会社などが主催する「IRイベント」は、個人投資家向けの説明会です。このイベントに参加している企業は、個人投資家へ向けてのアピールの意識が高く、株価を上げることにも熱心ですし、イベントに参加するだけの経営の余裕もあります。
また、自社の業績に自信があるとともに、現在の株価は割安だととらえていることもうかがえます。こうした場で生の情報に触れるのは、とてもよい機会です。特に、新興市場の銘柄は要注目です。
企業ブースでは、ぜひ、担当者と話をしてみてください。会社の経営方針でも、会社の製品やサービスについてでも、何でもかまいません。フェイストゥフェイスで話をし、対応をチェックすることで、会社の雰囲気がわかることでしょう。一般消費者向けの商品を扱う企業であれば、自社商品を配布している場合もあります。
興味を持った会社があったら、その会社が独自に企画している、個人投資家向けの説明会に参加してみることもおすすめします。
[図表]セミナー情報サイトをチェックしてみる
マネー誌の3月号は読み終わっても取っておこう
各社から出ているマネー誌は、ぜひ3月号(1月売り)に注目してください。
雑誌は、当然ながら取材や原稿を書いてから発刊され、みなさんの手元に届くまでに、時差があります。1月の下旬に発売される号の場合は、年末年始を挟むため、ある程度前倒しで約2か月前、11月末頃〜12月上旬に取材が行なわれることが多いです。そこで、この時差を埋めるために毎年1月21日売りの3月号のマネー誌は、株主優待特集になっています。そして、この株主優待特集が出ると、紹介された銘柄の株価が上がるケースが多いのです。
そこで、1月下旬売りのマネー誌の3月号を買ったら、読み終えても捨てずにとっておきましょう。なぜなら、毎年紹介される定番の銘柄があるからです。バックナンバーを使えば、今年度の号を見てから銘柄を選ぶ個人投資家に先回りして、安値のうちに優待狙いの銘柄を買うことができます。
まずは、1月上旬までに、昨年や一昨年のバックナンバーを参照して、今年も優待内容や配当が変わっていないかを企業サイトなどでチェックしましょう。そして、1月下旬までにそれらの銘柄を買っておくと、購入価格を安く抑えられます。
個別の優待銘柄情報を知る
無料のメールマガジンは、非常に効率のよいデータベースです。無料で発行されている投資情報のメルマガもたくさんありますので、好みのものを購読するとよいでしょう。そして、読んだ後も削除せず、メールアプリに専用のフォルダを作って、仕分けしておくと、自分だけのデータベースを作ることができます。使うときは、検索バーに企業名などを入れて、関する情報を探せばOKです。私もそうして情報を整理しています。
投資情報のほか、経済ニュースなどのメルマガも同様に、データベースとして使用するとよいでしょう。
株主優待については、『楽しい株主優待&配当』(ライフパートナーズ(株)運営)という、優待に関する専門のメルマガもあるので、優待に興味のある皆さんは、登録しておくとよいでしょう。
http://www.kabuyutai.com/
このメルマガは週に1度のペースで配信されており、新しく優待が始まった銘柄や廃止された銘柄などの情報が掲載されています。優待の新設や廃止の情報は日経新聞に反映されていますが、見落とすことも多い情報です。また、証券会社のデータベースには、『会社四季報』のデータを得てからなので、1週間以上のタイムラグが発生します。
早く、確実に情報を得るなら、おすすめです。