税理士が解説!4月から変わる「贈与税の非課税制度」の注意点

2020年12月10日に公表された「令和3年度税制改正大綱」を受けて、2021年1月26日に所得税法等の一部を改正する法律案が国会に提出されました。そこでは3種類の贈与税非課税制度の見直しがされています。そこで相続税申告を数百件経験した相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の竹下祐史税理士に「贈与税の非課税制度」の変更点について解説いただきました。

教育資金…贈与税の非課税制度が変わる

2020年12月10日に自由民主党・公明党両党は、令和3年度税制改正大綱を決定しました。また、2020年12月21日には、政府が同内容の税制改正大綱を閣議決定しました。贈与税の非課税制度についても、以下3点の改正が行われる見込みです。

 

・教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し
・結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充

 

例年通りであれば、3月に税制改正法案が成立し、4月から新しい税制が施行される見込みです。

 

今回は、これらの贈与税の非課税措置の改正の内容を紹介します。これらのなかには、3月31日までに手続を行ったほうが有利に制度を活用できるものがありますのでご留意ください。

 

① 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し

 

 

「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」とは、両親や祖父母などの直系尊属(贈与者)から30歳未満の子や孫(受贈者)に対して、信託銀行等の金融機関を介して所定の手続のもとで教育資金の贈与を行った場合、1500万円までは贈与税が非課税となるものです。

 

制度の適用においては、以下の通りいくつかの留意点があります。

 

・受贈者が30歳に達して使い残しがある場合には、残額は贈与者から受贈者に対して一括で贈与が行われたものとして贈与税が課税されます。

 

・教育資金のうち、学校等への支払に関するものは1500万円まで、学校等以外(塾など)への支払に関するものは500万円が非課税の枠となります(23歳以上の受贈者に対する学校等以外への支払に関する贈与は対象外)。

 

・所得1000万円超の受贈者に対する贈与は対象外となります。

 

・贈与者が死亡した場合、死亡前3年以内の贈与に係る資金のうち、使っていない残額については贈与者の相続税の対象となります(ただし、受贈者が23歳未満など、一定の場合は対象外です)。

 

今回の税制改正では、節税目的での制度利用を防止する観点から、以下二点の取り扱いの見直しを行ったうえで、適用期限が2年延長されました(2023年3月31日まで)。

 

・贈与者が死亡した場合、贈与から死亡までの年数にかかわらず(改正前は3年以内)、贈与資金の残額については贈与者の相続税の対象となりました(改正前と同様、受贈者が23歳未満など、一定の場合は対象外です)。

 

・贈与者が死亡した場合、受贈者である孫等(子以外の直系卑属)に贈与資金の残額があって相続税が課される場合については、相続税額の2割加算の対象となりました(改正前は2割加算の適用はありませんでした)。

 

これらの改正は、2021年4月1日以降の贈与において適用されるため、4月以降に贈与を行った場合には、贈与者の死亡時の相続税が増える可能性があります。逆に今年の3月31日までに行った贈与については改正の適用対象とはなりませんので、現在制度の活用を検討されている方は、3月31日までに手続を進められることをお勧めします。

税理士法人ブライト相続 税理士・公認会計士

東京都国立市出身。2006年、監査法人トーマツ入社。上場企業の財務諸表監査、内部統制監査、上場支援、M&Aアドバイザリー業務等に従事。2012年、税理士法人レガシィ入社。200件以上の相続税申告、生前の相続対策、事業承継対策、家族信託・遺言作成コンサルティングなどの資産税業務に従事。2019年に税理士法人ブライト相続を開業。

著者紹介

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