1年で12万人が大往生を遂げている
日本人の死因の第1位は「悪性新生物(がん)」。厚生労働省『人口動態統計月報年計(概数)の概況』(2019年)によると、2019年に亡くなったのは138万1098人で、そのうち「悪性新生物(がん)」は37万6392人、全死亡者数の27.3%を占めています。
第2位は「心疾患(高血圧性を除く)」で、死亡数は20万7628人、全体の15.0%。三大疾病という通り、多くの人が想像する通りの結果でしょう。では三大疾病のうち残る「脳血管疾患」は第3位……ではなく、第4位。死亡数は10万6506人、全体の7.7%です。
三大疾病に割り込んで、日本人の死因第3位なのが「老衰」。死亡数は12万1868人で、全体の8.8%を占めています。
そもそも老衰とはどのような状態なのでしょうか。 厚生労働省が発行する『死亡診断書記入マニュアル』によると,「老衰」は「高齢者で,他に記載すべき死亡の原因がない,いわゆる自然死」と定義されています。つまり老衰=大往生といえるでしょう。
男女別に見ていくと、男性の「老衰」による死亡数は3万1722人で、死亡率人口10万人あたり52.7人。対して女性は死亡数9万141人で、死亡率人口10万人あたり141.9人。圧倒的に女性のほうが多いのは、単純に女性のほうが平均年齢が高いから、といえるでしょう。
さらに都道府県別に見ていきます。最も老衰による死亡率が高いのが「山形県」で、死亡数1878人、死亡率は10万人あたり175.5人。第2位が「鳥取県」で、死亡率は164.8人。第3位が「新潟県」で死亡率は155.0人。以下、「長野県」「静岡県」と続きます(図表1)。
一方で老衰による死亡率が最も少ないのが「福岡県」で死亡数3308人、死亡率は10万人あたり65.6人。「大阪」「沖縄」「埼玉」「東京」と続きます。
相関関係を見ていくと、高齢者人口と正の相関関係にあり、高齢者が多いところは老衰による死亡者が多いといえます。都市部で老衰の死亡率が低いのは、人口に占める高齢者の割合が低いといえるでしょう。
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