米雇用者数は4.9万人増
市場予想を下回る
■米労働省が2月5日に発表した1月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数は前月比4.9万人増と、前月の22.7万人減から回復したものの、雇用の伸びは事前の市場予想(10万人増)を下回りました。内訳をみると、民間雇用者数はわずか0.6万人増にとどまりました。小売りや運輸・倉庫、余暇・娯楽などの雇用削減で伸びが抑制されました。
■一方、1月の失業率は6.3%と、前月から0.4ポイント低下し、市場予想(6.7%)以上の改善となりました。
経済見通しは引き続き堅調で変わらず
■米国では新型コロナの感染再拡大に伴い、各州で行動制限が課されていることから、飲食を含む余暇・娯楽などを中心に、雇用市場の改善が遅れています。
■但し、雇用低迷の主な要因は新型コロナの感染再拡大です。今後、コロナワクチン接種の普及により行動制限は緩和されると考えられ、追加の経済対策実施も想定されることから、先行き雇用情勢は改善し、米国景気の回復は続くとみられます。
追加経済対策への期待などから、米株式市場の基調は強い
■5日の米株式市場でNYダウは続伸したほか、S&P500種株価指数やナスダック総合指数は過去最高値を更新しました。1月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は市場予想を下回ったものの、雇用回復の遅れでむしろ大規模な追加経済対策への期待が高まりました。議会で予算決議案が可決され、バイデン大統領の追加経済対策が成立へ向けて前進したことも好感されました。
■米株式市場は、足元の堅調な業績に加え、今後ワクチン接種が加速し、コロナ感染が収束に向かうとの期待や、バイデン大統領の大型追加経済対策への期待などから、基調は強いとみられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用者数は予想を下回るも、力強い米株市場』を参照)。
(2021年2月8日)
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