次男の言い分:感謝はしているが、遺産を隠すのはだめ
「父さんの面倒を兄が見てくれたのはありがたいと思っています。でも、黙って貯金を使い込むなんて」
そう話すのは次男のCさん。Cさんは大学卒業後、転勤が多い会社に新卒で入りました。入社前から覚悟していたことではありますが、やはり出張や転勤が多く、忙しい日々を過ごしています。
「Bは昔から両親から期待されて、大学も良いところに入りました。僕はそのあたりは、あまり気にかけられなかったので、学歴にあぐらをかいたりせず、仕事で成果を出してくしかなかったんです」
『次男なんだから、そんなに頑張らなくていい』『長男がやってくれるから』と、そんな言葉ばかりかけられた幼少期だったといいます。
「Bは昔からしっかりしていて、頼りになる兄でした。でも、僕のことをいつまでも子ども扱いするというか、対等に見ていないんだな、と思うことも多くて」
父のがんが宣告されたときもそうだったと、Cさんは目を伏せてため息をつきます。
「いくらこっちの事情を説明しても、兄は頭ごなしに否定するというか…」
『お前の考えが足りないんだ』『俺のいうことを聞いてれば間違いないのに』そんな態度をとられることも少なくなかったそうです。
「今所属している部署の都合で、どうしても東京に帰れないと何度もBに説明しました。せめて必要なものは宅配で送るから、何でもいってくれと。そう話しても『遠くから口ばかり出して』と怒られました」
直接的な負担をBさん一家に強いるのは申し訳なく思っても、他にどうしようもなかったといいます。Cさんが当時赴任していたのは四国。東京と往復しようとすると、時間もお金もかかります。だからといって、もちろん仕事を辞めるわけにもいきません。
「ときどき鼻につくところもありましたが、兄のことは尊敬していました。でも、遺産を隠すのは、だめでしょ。僕にも至らなかったところがあるとはいえ、裏切られた気持ちです」
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