2021年の世界経済見通しは0.3ポイント上方修正
2020年は0.9ポイント上方修正
■国際通貨基金(IMF)は26日、最新の世界経済見通しを発表し、2021年の世界の成長率を前年比+5.5%と、昨年10月の前回予測から0.3ポイント上方修正しました。新型コロナウイルスのワクチンが先進国や新興国の一部に普及するとの期待や昨年末に発表された日米などによる景気支援策を踏まえ、年後半に向け景気が回復するとの見方を示しました。
■2020年の世界の成長率は前年比▲3.5%と、前回予想から0.9ポイント引き上げられました。昨年後半に経済活動が再開したことに伴い、世界的に消費が持ち直したことなどから、下期に景気の勢いが予想以上に強まったと説明しました。
回復度合いに地域差
中国がけん引、欧州は下方修正
■IMFによれば、2021年の世界全体の成長率見通しは引き上げられたものの、国・地域により景気の回復度合いに差が生じています。
■2021年の経済成長をけん引するのは、+8.1%の中国で、2020年の+2.3%から大幅な伸びが見込まれています。インドも+11.5%と高い伸びです。
■米国や日本では、追加の景気支援策により、それぞれ+5.1%、+3.1%と、前回予想から2.0ポイント、0.8ポイント引き上げられました。
■一方、コロナ感染の再拡大に伴う経済活動制限により、ユーロ圏と英国は、前回予想から▲1.0ポイント、▲1.4ポイント下方修正されました。
ワクチン普及の遅れなどがリスク
■IMFは今回、2022年の世界の経済成長率を+4.2%と予想しました。これは、ワクチン普及が進むことや米国や日本などの追加景気支援策によって、世界経済がさらに下支えされることが前提となっています。このため、IMFは、変異ウイルスの影響やワクチン普及の遅れなどをリスクとして挙げ、高い不確実性が残っていることを指摘しています。今後、各国による経済対策やワクチン普及のための連携などが注目されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『IMFの世界経済見通しは2021年5.5%成長』を参照)。
(2021年1月27日)
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