「寒いから…」と窓を閉め切っていませんか? 暖房+加湿器でむんむんとする室内には、まさかの事態が起きていて…!? ※本記事では書籍『“健康住宅”のウソ・ホント』(幻冬舎MC)から抜粋、再編集して解説していきます。

「正しく換気ができない家」で暮らし続けたら…

くり返しますが、現行の換気システムは、人の呼気を含めた総合的な空気浄化を考えたシステムではないため、二酸化炭素の排出が十分にできません。基準の換気量はクリアできていても、すべての空気が入れかわるわけではないので、どうしても空気の流れに「よどみ」ができてしまうのです。

 

日本は世界でも数少ない「緑化面積70%以上」を達成している緑あふれる国です。それゆえ、多くの人は空気に対して鈍感な部分があるのではないでしょうか。

 

特にシックハウスやハウスダストが大きな問題となっている今、家の中のよどんだ空気を入れ替える「換気」には敏感にならなければなりません。空気がよどんでしまうと、二酸化炭素濃度だけでなく、身体の不調をまねくさまざまな問題が発生してしまいます。

 

それは、空気中を漂うホコリやカビ、ダニなどよる被害です。これらは、正しく換気ができていない、よどんだ空気や湿気の多い場所を好んでいます。以降で詳しく説明しますが、正しく換気ができないシステムの家で暮らし続けたら、本当に健康的な生活を送ることから遠ざかってしまうことは間違いありません。

 

■室内では驚くほど大量のホコリを吸い込んでいる

 

部屋に浮いているホコリがどのように動いているのかが分かる特殊なカメラで撮影した動画を見ると、びっくりするほど大量のホコリが舞っていて、私たちがそれらのホコリをたくさん吸い込んでいることがよく分かります。

 

人間が一生で吸う空気のうち、最も多いのが室内の空気(57%)だといわれています。その室内に、もしホコリやカビがまん延していたとしたら、体に与えるダメージの大きさは容易に想像ができます。

 

ホコリやカビがまん延する部屋に設置した空気清浄機のフィルターは、すぐに真っ黒になります。これほど汚れた空気を日常的に吸っていると、人間の肺そのものがフィルターの役割を果たして汚れていきます。

 

空気清浄機のフィルターは交換できますが、人間の肺は交換できません。ホコリを含む汚れた空気を長期間にわたって吸い込み続けていると、気管支ぜんそくやアレルギー、肺がんなど、さまざまな病気になる可能性を秘めているのです。

 

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“健康住宅"のウソ・ホント

“健康住宅"のウソ・ホント

杉山 義博

幻冬舎メディアコンサルティング

ハウスダストによるアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、ヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞など、住まいが私たちに与える健康被害が大きな問題となっている。住宅メーカーは競って「健康住宅」を称して家づくりを提案をし…

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