食べたいものを我慢しても、運動をしてもやせられない。その上、ダイエットのせいで活力を失ったり、健康を損ねたりすることも……。なぜ多くの人がダイエットに失敗するのか、医学的アプローチから検証すると、納得の理由が見えてきました。クリニックでダイエット指導を行う医師が、血糖値の急上昇が引き起こす身体の異変について解説します。

「GI値」で食品ごとの血糖値の上昇度合いがわかる

血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌され、このインスリンの分泌が脂肪合成を高めます。ですので、食事による血糖値の上昇はなるべく避けるようにメディカルダイエットでは指導をしていきます。

 

血糖値の上昇が食べ物によってどれくらい異なるのかが分かるGI値という指標があります。GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇を示す指標のことです。GI値は、最も早く血糖値が上がるブドウ糖を100の最高値として、GI値70以上の食品が高GI食品、56~69の食品が中GI食品、55以下の食品が低GI食品と分類されています。

 

低GIの食品には、肉類、魚介類、大豆、ナッツ類、卵や乳製品、葉野菜、キノコ類、海藻類などが挙げられます。対して高GIの代表は、砂糖やはちみつ、白米や食パンなど炭水化物の多い食品となります。

 

GI値が高い食品を食べると、血糖値は急上昇します。逆に、GI値が低い食品を食べたとき、血糖値はゆるやかに上昇します。ただし調理法や食べ合わせによっても変わってきますので、図表1はあくまで目安として参考にしてください。GIを提唱したオーストラリアのシドニー大学でGIデータベース(英文)(http://www.glycemicindex.com)が公開されています。

 

全国健康保険協会「食品別GI値早見表」を基に作成
[図表1]主な食品のGI値 全国健康保険協会「食品別GI値早見表」を基に作成

 

こうしてみると分かるように、同じお米でも、玄米と精白米のGI値が違うように、加工や精製の過程を経た食品なのかどうかによって、吸収のスピードが変わってきます。

 

玄米や全粒粉を用いた食品など、精製されていない炭水化物は、消化や分解に時間がかかる一方で、精製された炭水化物は、消化のスピードが速く、糖に分解されやすい状態なので、一度にたくさんの糖が血中に入り、血糖値の急上昇をきたします。

 

この血糖値の急上昇は、「血糖スパイク」と呼ばれる状態であり、ダイエットにおいても、生活習慣病のリスクという面においても、注意が必要なのです。

 

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※本記事は、平山尚氏と長谷田文孝氏の共著『本気で痩せたい人のためのメディカルダイエット』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

本気で痩せたい人のための メディカルダイエット

本気で痩せたい人のための メディカルダイエット

平山 尚,長谷田 文孝

幻冬舎メディアコンサルティング

「あんなに食事を我慢したのに痩せない」 「エクササイズやヨガ、どれをやっても続かない」 何をしても痩せられず、まだ頑張りが足りないのかも…と自己嫌悪に陥っていませんか? ダイエット専門クリニックの医師が「あ…

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