倒木の販売価格が1,000万円以上に・・・
山間地にある神社です。当社は歴史が古く、広い山林を所有しているのですが、近年、台風や豪雨などで倒木が増えたため、何度か業者に依頼し木を買い取ってもらいました。なかなか質のよい木だそうで、販売額は合計で1,000万円を超えるまでになっています。
じつは神主仲間から、こうした行為は収益事業に当たるのではないか、調べたほうがいいのでは? とアドバイスされました。実際のところはどうなのでしょう。
継続性が認められないため、収益事業には該当しない
すでに何度か申したように、収益事業に当たるかどうかは、①課税対象事業かどうか、②事業場が設けられているかどうか、③継続して行なわれているかの3つの条件を満たすかどうかから判断されます。
ご質問のケースでは、①については物品販売に当たる可能性があります。②の事業場も社務所がそれに該当します。ただし、台風や豪雨で倒れた木を買い取ってもらっているわけですから、少なくとも③の継続性があるとはいえません。
よって、収益事業には該当せず、それによる利益への課税はされないと考えます。
これは聞いたケースですが、神域にある木を使ってお札等を製作する神社があるそうです。倒木や必要があって切り倒した木が出た際に限ってのことで、つくったお札も氏子や参拝客に差し上げているとか。お礼として奉納金をいただくケースもあるでしょうが、「ものの対価ではない」と考えられるので、法人税の課税は生じないでしょう。
一方、定期的に木を切り倒してお札をつくったり、売価のようなものを定めて販売したりしている場合は、「物品の販売」に当たり収益事業になるので注意してください。