21年も中国に注目が集まる予感

新型コロナウイルスを概ね収束させたことで、20年の中国経済はほぼ一人勝ちの様相でした。その中国の21年の経済方針を占うと、当面は景気回復を下支えする政策の継続が想定されます。一方で、過剰とまで言われていた債務は、コロナの危機対応でさらに増加しています。景気回復とのバランスをとりながら、債務の正常化を模索する動きが今後想定されます。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

[3/10開催・会員限定セミナー]「ヘッジファンド投資」の魅力と活用法
ニューヨーク
から現役ヘッジファンドマネージャーが解説! >>詳細はこちら

中国中央経済工作会議:足もとの成長を確保しつつ、債務の正常化を示唆

中国の金融・財政政策スタンスの手がかりとなる中央経済工作会議(年1回開催)が終了し、国営メディアが2020年12月18日に声明の内容を伝えました(図表1参照)。中国は21年、「穏健」かつ「合理的」金融政策を実行、また債務比率の安定化にも努めることが示唆されています。国営メディアによると、中国当局は来年「マクロレバレッジ比率の基本的安定維持」、債務比率をGDP(国内総生産)対比で今年と同程度の水準に維持する方針と伝えています。

 

もっとも、GDP成長率などの数字目標は21年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で通常発表されます。

 

※五中全会:中国共産党中央委員会第5回全体会議
[図表1]中国のこれまでの主なイベントと今後の予定 ※五中全会:中国共産党中央委員会第5回全体会議

どこに注目すべきか:中央経済工作会議、債務正常化、小康社会

新型コロナウイルスを概ね収束させたことで、20年の中国経済はほぼ一人勝ちの様相でした。その中国の21年の経済方針を占うと、当面は景気回復を下支えする政策の継続が想定されます。一方で、過剰とまで言われていた債務は、コロナの危機対応でさらに増加しています。景気回復とのバランスをとりながら、債務の正常化を模索する動きが今後想定されます。

 

コロナの感染拡大に直面する局面では危機対応の優先順位が何よりも高く、債務水準の問題は脇に置くべきでしょう。ただ、中国はコロナの収束が早かった分、感染がこのまま抑えられるなら債務正常化の優先度を高めると思われます。

 

まず、中国の債務状況を確認します。中国の民間非金融機関部門債務残高(全体額)の対GDP比率を見ると足もとコロナ対応で、急増しています。中国当局の債務削減方針を見るため、対GDP債務比率の長期トレンドからのかい離(クレジットギャップ)を見ると、中国はコロナ前までは債務削減方針を維持していたことがうかがえます。当面は見送るとしても、中央経済工作会議の内容から、コロナ次第ながら来年は、徐々に債務の正常化を模索することも想定されます。
 

四半期、期間:2005年1-3月期~2020年4-6月期。かい離は対トレンド 出所:国際決済銀行(BIS)のデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表2]中国のクレジット(額とかい離)の対GDPの比率の推移 四半期、期間:2005年1-3月期~2020年4-6月期。かい離は対トレンド
出所:国際決済銀行(BIS)のデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

なお、中国のマクロレバレッジ比率は民間非金融機関部門債務に加えて政府部門債務も含めると近い数字となりますが、政府部門の同比率は50%前後で比較的安定していることなどから、先のデータで代理しています。

 

次に、中国の21年のGDP成長率は国際通貨基金(IMF)は8.2%を予想しています。もっとも21年1-3月期の成長率は今年が低かった分、前年同期比は10%を大きく上回る成長が想定されます。これはある程度年後半は減速することが想定されます。中国当局の成長予想は全人代を待つ必要がありますが、債務正常化の方針を踏まえ占う必要がありそうです。

 

最後に、中国らしく長期的な視点を簡単に述べると、21年は第14次5ヵ年計画がスタートする年です。五中全会を経て最終方針は21年3月の全人代で公表される流れです。第13次5ヵ年計画では小康社会(ややゆとりのある生活が出来る社会)などが採用されました。また、中国の第2の100年奮闘目標の第1段階(21年~35年、最終は2049年)の開始時期とも重なり長期的にも重要な節目です。加えて、共産党結党100年の年でもあります。来年も中国が注目を集めそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『21年も中国に注目が集まる予感』を参照)。

 

(2020年12月22日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

【関連情報&イベント・セミナー】

幻冬舎グループがIFAをはじめました!
幻冬舎グループのIFAによる「資産運用」個別相談会
認知症による金融資産凍結リスクを回避する信託」とは?
【3/3開催】初心者のための「仮想通貨」投資の法的リスクと対策
【3/3開催】独立系運用会社CEOが明かす「特化型ヘッジファンド戦略」のすべて
【3/4開催】コモンズ流30年・30社の企業」への厳選投資ノウハウ
【3/4開催】高所得者が密かに注目!「ドクターヘリ投資とは
※【3/9開催フロリダ・カリフォルニアの「住宅開発プロジェクト」投資
【3/9開催】今さら人には聞けない「オペレーティングリース投資の基礎講座
※【3/11開催償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力
※【3/11開催】「タンス預金」のグローバル活用術~ビットコイン編

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケットレポート・ヘッドライン

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧