医学部受験は長期戦です。2浪や3浪は当たり前、5浪を超える人だって、何ら珍しい話ではありません。大手予備校に通う人は多いですが、ただ予備校に入って満足してはいませんか? 成績を上げるには、闇雲に勉強するのではなく、まずは「勉強のコツ」について学ぶことが大切です。難関医学部向けの予備校やWebメディアを運営する、株式会社恵学社の代表・岡健作氏が解説します。

言われたとおりにやることを怖がる必要はない

こちらの言うことを素直に受け入れてくれて、提示したプランをきちんとこなしてくれる人はやはり成績を伸ばしやすいものです。逆に、自己流にやってしまう人はどうしても伸び悩む傾向が出てしまいます。

 

たとえば、数学の偏差値をわずか1カ月ほどで25も伸ばした生徒は、こちらの提示したことを非常に素直に受け入れてくれました。その結果として、わずか1カ月で偏差値が25も伸びたので「言うとおりに勉強していれば成績が上がる」と実感し、さらに素直に提案を受け入れてくれるようになりました。この信頼関係が出来上がると、成績もかなり伸びます。

 

時々、「何もかも言われたとおりに解いたり、勉強したりしていると、自分で考えなくなる」と言う人がいます。特に、医学部受験予備校は、状況の把握から対策まで講師が細かくフォローしていくというスタイルですから、説明面談で保護者の方も、「こんなに何もかもすべて教えてくれる環境に1年いたら、何も考えられない人間になりませんか」と心配して質問されます。ですが、これは端的に言うと、ひどく大げさなことだと私は思います。

 

例えば「新しくサッカーを始めよう」というケースなら、そんなことを考えるでしょうか。「コーチについてメニューを作ってもらう代償に、考える力を失うのではないか」と考えるでしょうか。そんなことはないはずです。

 

受験勉強には「頭を鍛える」という側面が確かに存在します。ですが、それは「勉強法を考える」ということによって、最大化するようなものではありません。英語なら英語、数学なら数学を効果的な方法で学ぶことによって、「自分の頭で考える」ことは十分達成できます。

 

シンプルに考えてほしいのです。範囲が決まっていて、解き方も、効果的なトレーニングの方法も分かっているのに、それをあえて無視する必要はありません。先ほどの生徒は、プロの講師によって最適な学習法を提示され、それに愚直に取り組むことで、驚くほどの成果を上げました。「考える力を得る」というぼんやりとした目的のために、アドバイスを拒否するメリットはほとんどないのではないでしょうか。

睡眠・食事の時間を削ってまで勉強する必要はない

ここで、ある生徒の一日のプランをご紹介します。一日の基本の総勉強時間は12時間。一日の半分は勉強をすることになります。9時にスタートし、メニューに沿って学習を進めていきます。授業時間になれば教室に移動し1対1の個別授業。終了するのは22時です。90分の授業を一日に2コマほど受けるというのが平均的ですから、授業に充てる時間は3時間。トレーニングアワーとデイリーテストの時間がそれぞれ1時間と2時間。ほかに補習がある場合もあるので、だいたい、6、7時間が自習に充てる時間です。

 

[図表]ある生徒の一日の過ごし方(一例)

 

授業以外の枠が基本的に自習です。授業の時間、自習の時間、トレーニングの時間を本人と相談しながらプランニングしていきます。授業以外の時間の内容にまで踏み込むことによって、学習の効率を上げていきます。

 

授業で収集された問題点を把握することで、身に付けなければならないことの優先順位がはっきりと分かってくるため、プランニングの精度はより高まっていきます。

 

理解度に合わせた教材を選び、進め方、ボリューム、身に付けたいターゲットを細かく設定します。「今日は数学に関しては最終的に微分のAという問題を解けるようにしましょう」という小さな目標を立て、トレーニング内容を自習の内容として入れていきます。受講生には毎日個別のメニューが組まれ、メニューそのものが、合格に向けて時間を効率よく、効果的に使えるツールとなっていくのです。

 

睡眠・食事などの生活環境を整える医学部受験では、朝から晩まで勉強時間を確保するのが今や当たり前になってきています。勉強時間を確保するためには、生活環境を整える必要があります。

 

勉強時間を確保したいからといって睡眠時間や食事時間を削っては、健康をそこないかねず、逆に受験勉強に支障が出る可能性があるので、意味がありません。削るべき時間はほかにあります。

 

必要以上にLINEやフェイスブックなどのSNSを使って時間を浪費したり、スマホの動画をだらだらと見てしまうこと。今では少なくなったものの、テレビを長時間見て過ごしてしまうという人もいることでしょう。まったくやってはいけないというわけではなく「必要以上に」はやらないことです。受験には期限があります。今やる必要のないことは、断ち切ったり、時間を減らす工夫が必要です。

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