Q.医学部の学費はどれくらいかかるの?
国公立大の約350万円(全学部一律)に比べて高額な私立大の学費ですが、2008年に順天堂大学が約900万円の値下げをして以降、学費を値下げする大学が相次いでいます。また、医師不足の対策として打ち出された「地域枠」の増加や、大学や自治体などによる奨学金・修学資金、あるいは医学部限定の高額教育ローンなどのさまざまな制度のサポートもあり、一般家庭からの進学者が増加しています(関連記事でランキングを確認:『2021年度私立大学医学部学納金(初年度・6年間)ランキング 』)。
大学独自の奨学金や自治体の奨学金・修学金で、貸与等の金額が大きなものを抜粋。このほかにも卒業後一定期間、指定された地域の医療機関に勤務することで貸与金の返済が免除される「地域枠」も(図表4)。
Q.医学部に合格するために大切なことは?
医学部に合格するには、模試で高い偏差値が取れるくらいの学力が必要になります。高い学力を身に付けるためには、学習の量よりも学習の質が大切です。学力を伸ばすための学習方法については、次回以降の連載で紹介します。
しかし、模試の偏差値が高くても合格できるとは限りません。模試の出題内容や形式と、実際に受験する大学の出題が大きく異なることが多いからです。ですから、過去問をうまく活用して、志望大学の出題傾向に合わせた対策が欠かせません。過去問を活用した対策の方法や面接・小論文対策については、本文のStep5・6で紹介します。また、受験生の学力の状況・特性と、大学の出題傾向との相性(マッチング)も考慮して受験する大学を選ぶのも1つの戦略です。これらについては、次回の記事を参照してください。
いずれにしろ、さまざまな情報の中から自分に必要な情報を選んで活用することが、合格への最短ルートとなるのです。
また、2021年度以降は入試制度が大きく変わるため、志望大学の情報は必ずウェブサイトで確認し、正確な情報を手に入れておくことも大切です。
今後の入試で問われる思考力・判断力・表現力を培うためにも、「学習の質=正しい学習法」を身につけることが大切です(図表5)。
志望大学の出題傾向から求められる学力を意識して効率良く学力を伸ばし、学科試験・面接・小論文の過去問を使って合格点を目指します。正確な入試情報も活用して、さらに合格の可能性を高めましょう(図表6)。
志望大学の科目ごとの「配点比率」「難易度」「問題量」「出題形式」「頻出分野」を分析し、自分自身の現在の学力状況と比較することで課題点を捉え、学習の優先順位を考え効率良く学習します(図表7)。
自分の学力状況と大学の入試問題の相性を考えて志望大学を選定・受験することで、合格率もアップします(図表8)。