グローバル教育において「英語力」より重要なこと
勉強ができるかどうかの指標として、アジアで一般的に活用されている指標が「偏差値(学力偏差値)」です。しかし、欧米では、偏差値はそれほど浸透していません。
例えば、ハーバード大学の入試情報サイトでは、「大学のコミュニティに貢献してくれる学生を求めています。」と記載をしています。さらには、「学業成績は決定を下す際の一部にすぎず、好奇心が強く、意欲的で創造的な応募者を募集しています。」とも述べています。英語の能力は募集の基準にすら入ってきません。
私が所属する東京富士大学でも、「実務IQ」というキャッチコピーを掲げ、実践的な授業を通して、ビジネスで必要とされる能力を育てる教育に力を入れています。日本でも、近年は多くの大学で筆記試験だけでは判断できないさまざまな能力を求める傾向があります。
2021年度の入試改革により、教科試験が中心だった一般選抜においても、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価するため、調査書や志願者本人が記載する書類、面接、集団討論、プレゼンテーションなどを積極的に活用することが促されています。まさに、社会人基礎力を重要視した改革といえます。
グローバル教育というと、英語を勉強するイメージが強いと思いますが、今の時代は英語ができることは、必要であっても十分ではなく、グローバル化に対応することを考えると、早くから社会人基礎力を高める人材育成こそがとても大事なのです。
【ここがポイント】
偏差値を重要視しているのは、アジアの一部の地域のみです。日本でも知識偏重型入試から総合力重視型入試に変わってきています。大事なのは、ただ英語、国語、算数などの問題を解く力ではなく、多様な力なのです。
※本記事は連載『デキる社会人になる子育て術 元ソニー開発マネージャが教える社会へ踏み出す力の伸ばし方』を再構成したものです。
鬼木 一直
東京富士大学
入試広報部入試部長、IR推進室長/教授
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